『Mother』第4話

ついていけないというほどではないものの、展開が予想外に早過ぎて若干戸惑ってしまいました。葉奈さんが奈緒のしたことに気づき味方になってくれるのはいいとして、駿輔が怜南=つぐみであることにたどり着くのもあっという間だったし、知ってどうするのかと思ったら強請り始めてるし、学校問題をどうするのかと思いきや多少モメはしたものの無事転入できちゃったし、おまけにラストでは奈緒がうっかりさんが本当の母親ではないか!?と気づいたみたいだし。でもその展開の早さに強引さは欠片も見られないんだよね。とにかく主要人物の“気持ち”に焦点を当てそれをこつこつと積み重ねてくれているから、展開が早くても気持ちが置いていかれないの。そしてやっぱり丁寧だと思う。葉奈さんが奈緒とつぐみの味方になってくれると宣言するのだって、多分新聞記事を見て“なんとなく分かった”瞬間に葉奈さんは二人の味方になるって決めたと思うのね。でもそこでその決意を“母親だから”で済ますのではなく、なぜ誘拐などという犯罪行為を選んだのか、そのことを奈緒の口から説明させ、その上で二人の味方になると“決めた”とちゃんと段階を踏んでるんだよね。それに、これまでの流れで奈緒がつぐみを連れて逃げるしかなかった“状況”は見えていたもののなぜこんなことをしてしまったのか?という“奈緒の気持ち”はこれまで語られることがなかったんだけど、それを(視聴者に対しても)明らかにするタイミングとしても丁度よかったと思う。まぁいくら暴力亭主に居所を明かしたくないからとは言え、母親の身分すら明かさずにその子を「特例として」学校に入れることが果たしてできるのか?とは思うけど、そこもうっかりさんの意外な行動力と押しの強さで誤魔化されちゃったというか、それだけ“二人の味方になる”という葉奈さんの想いが強いんだろうなーって思える、思わせてくれるんだよね。頭じゃなく心で見られるというか。それに加えて“なぜうっかりさんがそんな裏技を知っているのか?”とか“「もう十数年納税してる」ということは、十数年前はどうだったのか?”など新たな謎も提示されたわけで、丁寧なだけでなくぶ厚いドラマだなーと今回も感じました。
そんな中で唯一“気持ち”が見えないのがヤマコーさん演じる駿輔なわけですが、奈緒の実家の羽振りを見たうえで犯罪行為を黙っててやる代償として1千万を要求するってのはまぁ・・・アリなんじゃないの?とは思うものの、その前につぐみをネチネチと追い込んだのはちょっとなぁ。鎌かけたってレベルじゃなかったもんね。あれは完全に甚振ってた。相手が愛され放題のクソガキならまだしも、つぐみ=怜南は虐待されてた過去があるわけじゃん。ううん、過去と言うにはまだ生々しい記憶だろう。取材してたんだからそこらへんは分かってるだろうに、あの行為はないわー。あれだって一種の虐待だと思う。もしこの先駿輔が実はいい奴でしたー!ってな展開になろうとも、今回つぐみにしたことのせいで何割か減になると思う。
・・・・・・でもなぁ・・・・・・金を要求する時に「“とりあえず”1千万」って言わなかったことが気になるんだよな。もしこの先も二人に付きまといタカリ続ける展開になるならば、ここは「とりあえず」って言わせるんじゃないかと思うんだよね。何度も金を要求するのってリスク高いし、駿輔は馬鹿じゃないと思うんで、もし1度しかしないつもりならばもうちょい吹っかけそうなもんだしなぁ。まぁ現実ではなくドラマなわけだから、恐喝を続けるにせよ他の手段で奈緒を追い詰めるにせよ、この先も何らかの動きはするんだろうけど。で、わたしはどうしても気になってることがあって、それはかつて奈緒がいた施設のももこさんの息子が「しゅんすけ」ということなんですよね。本当に駿輔がももこさんの息子のしゅんすけだとしたら、1千万ってのは施設再建の資金だったりしないかしら??とか思ったんだけど。怜南のような子を一人でも多く助けるために施設を再開するのが俺の目的なんだ!とかなんとか言っちゃったりして。