三崎 亜記『廃墟建築士』

廃墟建築士

廃墟建築士

相変わらずこの人の頭の中はどうなってるんだろう・・・?と本気で覘きたくなってしまいたくなるほどの発想力ですが、今回の短編集は過去との繋がりというか過去の設定をそこはかとなく引き継いでるような感じ。というより世界として繋がってるよね?。『廃墟建築士』の中には「二階扉」という言葉が出てくるし、『図書館』に至っては「動物園」の続きというかその先と言っていいいぐらいだし。とすると以前に刊行された『バスジャック』の姉妹品みたいな関係なのかな。
全ての作品から共通するイメージとして、社会と自分との繋がりのあり方・・・太くなくていいから、むしろ細くて構わないんだけど繋がっていたい、そんな想いが浮かんできました。そういう在り方、そういう生き方、そういう考え方。それが私には心地よかったのだろうか。