アレを歌舞伎と認めるとか認めないとかは置いといて、むっちゃくちゃ面白かった。文句ナシで面白かった。いわゆる高田馬場での決闘の物語というよりも、安兵衛さんとゆかいな長屋の仲間達！って感じ。脇の人達にもしっかり肉付けがされていて、それぞれ見所もあり、三谷らしい群像劇に仕上がってました。いやー、感心した。脚本の上がりがギリギリだったという噂を聞きましたが、そんなことを感じさせない仕上がりっぷり。２時間フルスロットルで飛ばしまくりで、一切ダレるところなんてないし、考え抜かれたスピーディーな舞台転換と役者の早替わりはマジで凄い。並のスピードじゃないですよ！それも一度じゃないんですよ。裏とかどんななってんだよ！？って。余りの凄さに客ざわめきまくり。安兵衛さんとゆかいな仲間達のキメキメポーズにはテンションぐわーって上がったわー。ほんっと面白かった。これ見れてほんと幸せ。
染は純粋な歌舞伎以外だとやっぱりカッコイイ。黒い着流しで、とにかくひたすら酔っ払ってる安兵衛なのですが、トンボも切るし逆立ちはするし時事ネタ（ネタバレ避けます）はするし、カッコイイったらありません。なんかほっとけない感じで、ダメ男なんだけどでも芯の部分は腐ってるわけじゃなくて、肝心な時は頼りになる優しい男で、でもやっぱりダメ男で･･･と、とても魅力的。
カンタはまんま平助で。新撰組！好きにはたまりません。史実をよく知らないのですが、又八という人物は実在した人物なのでしょうか？あまりの平助っぷりにアテ書きかと思った。この又八が物語のキーパーソンなのですが、心の動きに沿っていろんな表情を見せてくれます（心理の変化に説得力がやや欠ける気がしなくもないですが）。途中、安兵衛を大好きな長屋の皆さんによる回想シーンがあります。ここ、カンタオタは要チェックで！！！一人小芝居繰り広げてくれてるのですが、何ごそごそやってんのかなー？と思ったら！！！（あれ欲しい。是非ともグッズで売って欲しい）やり終わった瞬間のカンタの「デヘッ。どうだ！」みたいな顔がもうもうもう。オタは是非ともオペラグラスは持ってくべきです。
俺のお目当て亀ちゃんは、安兵衛さんの幼馴染の右京さんと安兵衛さんを強烈に慕うホリちゃん、そして犬好き（笑）のヘタレ庄左衛門と三役で奮闘。どれも亀ちゃんらしい芸達者ぶり。女形の亀ちゃんが好きだということもありますが、ホリちゃん相当いいです。「絶対ゲットして見せる！」なんて可愛すぎ。右京さんは前半は空気読めない微妙なキャラなのですが、後半グングン上がっていきます。被せテクっていうんですか？同じことを二度三度と繰り返して笑いをとるヤツ。あの間が最高。劇場の空気を捕らえるのが上手い亀ちゃんなので、慣れてくるにつれてアドリブどんどん入れてきそうな感じ。
長屋の皆さんもそれぞれいい味出してくれてますが、特筆すべきは萬次郎さん！！！もう存在そのものがイイの。三谷が好きそうなタイプだもんなぁ。歌舞伎好きももちろんだけど、演劇好き・三谷好きな客には相当ウケそう。あと気になったのは、おかまっぽい中津川の門弟の人。パンフレットの写真からすると翔太さんですかね？かなりオイシイぞ、あの役。
長唄、鳴物、竹本もちゃんとありました。決闘！高田馬場のテーマとでも呼ぶべきオープニングの曲が離れないんですけど。東太夫さんのものっそい見せ場アリ。ある意味一番面白かったとこ。
運よく終盤（24日）のチケットも取れているので、今後この舞台がどう成熟するのか確認できる俺はなんて幸せもんなんだ。25日にはWOWOWで生中継がありますよー。歌舞伎って難しそうだな･･･と敬遠してる人にゼヒゼヒ見てもらいたいです。
オマケ：会場で貰ったメタルマクベスのチラシが超ヤベー！！！豪華すぎ。
