貫井 徳郎『悪党たちは千里を走る』

悪党たちは千里を走る

悪党たちは千里を走る

あらすじも微妙にネタバレになりそうなので控えます。

なんとなーく、貫井さんには誘拐モノが得意ってイメージがあるのは何故だろう。それが私の勝手な思い込みだということは承知の上で言います。ちょっとガッカリ。誘拐の3段活用みたいなところは貫井さん的なんだけど、それ以外の部分が駄目。貫井さんにコメディ調は似合わない。会話がちっとも面白くないうえにテンポが悪くてイライラした。明らかに謎は解ってしまうので、ミステリとしては読めない。まぁ貫井さんもそういうつもりで書いたわけじゃないだろうけど。それぞれ社会に上手く馴染めない登場人物たちが、事件を通して少し成長する様を描いた物語・・・だとしても警察や両親に全く触れないし、書きっぱなしだよなぁ。そういう意味ではタイトル通りと言えるかもしれないけど。