貫井 徳郎『ドミノ倒し』

ドミノ倒し

ドミノ倒し

元カレにかけられている殺人容疑を晴らして欲しいという依頼を受けた私立探偵の主人公。事件を調べるうちにまるでドミノ倒しのようにどんどんと調べるべき死体(事件)が増えていき・・・ってな話で表紙から受けた印象通りコメディタッチの作品なのですが、面白くなくはないけどなんか違うというかなんというか・・・こういう言い方をすると身も蓋もないんだけど“今流行りの売れ線”を狙って書いたんだろうなーと思うのですが、貫井さんにこういう感じは合わないんじゃないかなーと。
やたら美形が登場するんだけどその美形描写が薄いってか美形であることに設定以上の意味がないんですよね。だから美形なのにまったくときめかない。それは多分貫井さんの中にそういう素養がないからなのではないかと・・・。美形に限らず登場人物が総じてペラいんで、もしかしたらそれはこの舞台となる土地の特殊性によるもの、というか、もう全員頭アレだよね(笑)ということを描く意図なのかなーとも思うんだけど。
ていうかこれ逆に同じ話をドシリアスVerで読みたいわー。