貫井 徳郎『私に似た人』

私に似た人

私に似た人

貧困層が起こす無差別殺人。一見無関係に思われるそれらの犯人は「レジスタンス」を名乗る。やがてその行為は「小口テロ」と呼ばれるようになり・・・ってな話で、様々な立場の人間が「小口テロ」に積極的に、間接的に、絡み翻弄される物語を描く連作集です。
社会派のように描きながらもミステリーだったー!!と判った瞬間は昂揚したんだけど、その後がなぁ・・・。これでこそ、こういう受け止め方(終わり方)になるのが「日本人」という解釈はできるし、そもそもそういう話じゃないんだけど、そもそもの発端が明らかになった瞬間読み進めるのをやめて該当章を読み返したんだけど、そしたら確かにそうじゃん!と、この章だけ明らかに違うじゃん!と、読んでる間はそのことに全く気付かなかったからやっぱ貫井さんすごいわーと興奮したせいもあって尻つぼみというかなんというか、貫井さん丸くなっちゃったのかなぁ・・・なんて思ってしまった。面白かったことは間違いないんだけど。