奥田 英朗『ララピポ』

ララピポ

ララピポ

勝ち組なんて、いない。神は何故、この者たちに生を与えたもうたのか?(帯より)ということで、激安人間達による全編セックス祭りの短編集。
紳士淑女のみなさまにはお薦めできません(作者)だそうです。

ダハハハハハ、バカだろこいつら!って読むのが正しいのかもしれないけど、心からは笑えない。誰にでもあって分かりやすく、尚且つ笑いのオブラートでくるむことができる“性欲”をテーマにしてはいますが、ちょっと見方を変えて自分に当てはめてみると、オイオイ他人事じゃねーぞ・・・って怖くなる。むしろどっちかといえばこっち寄りじゃね?笑ってる場合じゃねーぞと。恐ろしい本です。
私が読むより先に、内容未確認のまま(若干エロだとは思ったけど)奥田英朗ファンの母親に貸してしまったのですが、母曰く「ほんっとお下劣。でも面白かったわ〜(かなり笑顔で)」とのこと。マジっすか!?オールセックス話ですよ!?・・・いろんな意味で母ぐらいになると、笑い飛ばせるみたいです。娘としては自分の崖っぷち度合いを見せつけられたような気分なのに・・・。
人生に余裕がある人はきっと楽しめると思います。それからエロを期待しても無駄です。濡れ場というよりも交尾ですから。