奥田 英朗『我が家の問題』

我が家の問題

我が家の問題

新婚家庭から結婚して十数年の家庭まで、それぞれの家庭が抱える「我が家の問題」が描かれている6篇からなる短編集です。
最初の話が新婚家庭のちょっとした問題というか、これから長年夫婦(家族)として暮らしていくにあたり非常に重要な問題ではあるものの他人にとっちゃどーでもいい問題が描かれ、はっきりとした解決が記されているわけではないものの前向きな場面で終わるんで、今回はハートウォーミングな奥田作品なんだなと思ったところで続く3篇が語り口こそ最初の話とさして変わらないものの結構重い話であれあれあれ?となり、でもラスト2篇、特に最後の話でキッチリ締められている非常にバランスのよい読み物でした。
つまるところ、人(家庭)それぞれってことなんだよな。どこの家にも問題は絶対にあって、それに比べて隣の家は幸せそうでいいわねなーんて思ったりするけれど、隣の家には隣の家の問題があるし、解決法(対処法)だって問題の数だけあるってことだよね。
・・・と、現在絶賛家庭内問題抱え中の私は思うのでありました(笑)。