『義母と娘のブルース』第3話

真の問題というか、親の事情であり人間関係が子供に圧力を与え影響を及ぼすことについてはドラマのなかとはいえそう易々と解決できるものではないのだろうと思うわけで、亜希子が本気で戦闘モードに入るキッカケ、話の発端はそこだとしても「PTAをぶっ潰す」という大人同士の話として、最終的には本当は亜希子のようにキャリアウーマンとしてバリバリ働きたかったものの家庭に入った女の存在証明であり心の拠り所なんだってな個人の話として描いたのは上手かったなー。家政婦のミタさんとかスーパー派遣社員の大前さん(パッと浮かんだだけでそれ以上の他意はないです)だったら、あらゆる技能を駆使してほんとにひとりで運動会を成立させちゃったかもしれないけど、亜希子のビジネススキルをもってしてもさすがにひとりじゃ無理っぽい・・・となったところでPTAのひとたちが“自発的に”動き出すと、その結果PTAは決して悪でも不要でもないことがわかりましたと、このアプローチはドラマとして実に見事。
なによりトドメの「父と娘の写真」ですわ。地面に落ちるカメラのカットは亜希子の無念さが伝わってきたものの“それだけ”のカットだとしか思ってなかったから、まさかそれがこんなオチに繋がるとはまったく予想できず、ちょっとウルりそうになっちゃったわよ。
亜希子は確かにキャリアウーマンだけど、完璧人間じゃないところがいいなぁ。PTAの再構築について亜希子はアドバイザーとして持てる知識や情報を与えるのに対し矢野さんは亜希子に料理を教えるって、法螺貝吹き荒れるあのPTA会議からこういう関係性が生まれるってとても素敵。
素敵と言えば親の事情が子供に影響を及ぼすことについて「長いものに巻かれればいい。強い奴には逆らうな。本当のことは陰で言うのが正しいんだ。だってお父さんとお母さんがそうやってたんだから。私は大事な一人娘にそんな背中を見せられない」と言い切る亜希子さんはほんっとーーーにカッコよかった。
ゆえにそんな亜希子さんがなぜ「なんのメリットもない」子持ち男と結婚したのか、という疑問が生まれてしまうわけですが、今回は良一のいいところ、人の良さも描かれていて、なんだかんだでお似合いだしいい家族になれそうじゃないかと思ったところで次回はその疑問に答えが出るかもしれないとか構成も上手いわー。
でも良一死んじゃうだろうけど・・・・・・来年って言えなかったもんね・・・・・・ていうか蝉のカット・・・・・・・・・。
初回時点ではどうなることかと思いましたが(悪い意味で)、ぐんぐん面白くなってくれて嬉しいな。