櫛木 理宇『監禁依存症』

まずプロローグがあって、本編は同年の11月と4月の日付を明記し二つの時間軸で描かれるんですよね。11月のほうは誘拐事件の捜査にあたる浦杉の元部下・高比良の視点で、4月のほうは浦杉の娘視点。

で、プロローグが何を描いたものなのかは本編の中盤あたりで明らかになり、そしてこれが「依存症シリーズ」であることを考えると二つの時間軸の“繋がり”でありその方向性は予想がつくんだけど、4月視点にちょこちょこ登場する小学生が11月で言及される事件と結びつくとはまったく予想できなかったんで、その瞬間は文字通り背筋がゾッとした。

そして前作で姿を変えたという記述があった記憶はあるものの「浜真千代」が「この人物」だともまったく想像できず、そこからの浦杉娘の「選択」にはいよいよすごい話になってきたな感が凄まじい。

なにがすごいってエピローグな。プロローグが何を描いたものなのかは途中でわかると前述しましたが、私全然わかってなかった。
「誘拐事件の真相」についてはそのまんま「当然の報い」としか思ってなかったけど、そうだよな、「子供に罪はないけど同じ思いを味わわせたい」と言ってんだから浜真千代が噛んでて「子供」が無事で済むわけないよな。

いやほんと、このシリーズこれからどうなっちゃうんだ・・・?。