『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』第9話

セミファイナルで「自分史上最高」の演奏ができたのに、あんなに軽い口調でここを直したら次はもっといい演奏ができるよなどと言われてしまって心が折れました。ファイナルから逃げて呆然自失状態で街をフラフラしてたら事故に遭いました”という、「あの日の真実」などと言うまでもない、なんのひねりもない「父親を嫌いになった理由」をよくここまで引っ張ったもんだ。

この過去で(この過去を引きずって)二十歳すぎて社会人やってる今でもこれほどツンケンしてたとか、いつまでおこちゃまやってんのよこの娘。
としか言いようがないんだけど、ようやっと叶った父娘の共演を邪魔しないよう気配を消して聞きつつ泣いちゃう弟(それなのに過去回想に海の存在が皆無なのが気の毒すぎて・・・)に免じて仲直りできてよかったですねでいいやもう。

それより晴見フィルですわ。ワイルドカードに当選しオケフェスに出られることになったものの、練習場所がないとなり、瑠李が伝手を辿って3日間の合宿をお膳立てしてくれましたってんで今回はクライマックス=オケフェスに向けて猛練習する晴見フィルが見られるのだと思ったのに、カレー作りの描写すらなく晴見シンフォニーのお披露目をし、次の瞬間もう合宿を終えて戻ってきて響のしょーもない過去話を聞かされるとか、どうなのこの構成。
フェスに参加するには費用が掛かると現実的な話が出たのには「お?」となったのに、駅前で募金活動する描写がチョロっとあったから、これもう「晴見フィルファンの人たち、街の人たちの善意で費用が集まりました」ってことなんだろ?。
最終回でどれだけ素晴らしい演奏をするのだとしても(そういう描写になるのだとしても)そこに至る準備や努力の描写がないんだもん、心が動くわけがない。

響と俊平との和解は3.4話、遅くとも半分の5話で終わらせておいて、響も加わって「晴見フィル」の話をじっくり描いたほうが良かったと思うんだけどな。リバオケの二番煎じになってしまうとしても。