『厨房のありす』第8話

自分は望まれて生まれてきたわけではないと、ゲイである父親が世間体を取り繕うためにした結婚で生まれた子供であると思っている倖生に、その繕わねばならない「世間体」の原因というか張本人というか、父親の恋人であり続けた心護の言葉はまあ届かんよな。「父親の愛」を語るにしてもありすとは血の繋がりがないわけだし。
ってところで、金之助を使ってくるのは上手いなあ。ウジウジ考えるタイプの倖生に真逆の脳筋金之助をぶつけるってのも面白いし。

晃生は結局自殺であることは間違いないようで、なんでそんな道を選んだのかを心護が説明してはいたけど、いまいち腑に落ちないというか、マジでそんな心理状態で死を選んだってことならば晃生はほんとうに自分のことしか考えてないんだなって話じゃない?。
前回の感想で“妻と子への愛を証明するものが出てきても、倖生はともかく晃生と結婚し子供を産んだ女性が救われることはない”と書いたんだけど、まさにそれじゃん。
倖生のことを心護よりも愛してると言う晃生は、晃生を守るために、晃生の父親として死ぬしかなかったというけど、「結局自分のせいじゃないか」と倖生を苦しめたし、そこに「妻」への想いはないだろう。「家族の安全」を材料に脅されたとはいえ、晃生の頭のなかには息子のことしかなかったと思うよ。妻に対してなにも言葉を残してなかったことがその証拠。通夜の席で息子に「八重森心護への恨み言」をぶつけたのはそういうことでしょ。

というモヤモヤを金之助と虎之助父子のわかりやすさが中和したかなーと。まあモヤモヤは消えんけどな。

で、父親に対する倖生のわだかまりは解消したみたいだし、ありすが完全論破した通り心護がありすと倖生の交際に反対する理由もなくなったことだし、ついでに松浦さんとも和解したしあとはもう三ツ沢家含めてワチャワチャして終わればいいんじゃないかと思うんだけど、横領のみならず製薬データの偽装にありすの母親の死は殺人かもしれないなんて話になってしまうのか・・・。
晃生の自殺も含めそれらはすべてひとつに繋がるんだろうし、ありすの父親の存在もようやくクローズアップされることになるみたいだし、いよいよ萩原聖人の出番ということですね。ゴクリ。