『リバーサルオーケストラ』第3話

2話の感想は書かなかったんだけど、実は見ました。
初回の感想でオーケストラという題材は好きだけどメインの二人が苦手だと書きまして、見続けようか迷ったんだけど「題材が好き」のほうがやや勝ったんですよね。内容的にも既視感はあれど面白そうだと思ったし。
なのでとりあえず2話も見て、かつては天才バイオリニストと言われていたからといって10年もの間演奏活動をしておらず、それがいきなりコンマスだなんて認めないってところから始まるのかと思いきや、楽団員揃って諸手を上げてリスペクト!ウェルカム!してくれて、遅刻が多い楽団員に対しても理由が分かれば協力&応援してくれるし、その「理由」に対して初音が関わるのも持ち前のお節介さなどではなくコンマスの仕事だと朝陽に“命じられたから”で、その朝陽は朝陽でただの「俺様」などではなくいいところを持っていくしと、ああこれ苦手だけど見られるヤツだわ・・・となり、そんでもっての3話ですよ。
これまた初回の感想でわたしの気を惹いてくれる男のカードがあと1枚あってくれたら継続視聴を決められるんだけどなと書いたわけですが、3話にしてその1枚を切ってきやがった。

ええそうです渋川清彦です。

最初から渋川清彦がいるのではなくこういう形でinさせて(ドラム叩く姿が見られるとは!)、その流れで俺の平田満も演奏者としては一流の実力の持ち主であることもサラッと説明してくれちゃったもんで「はい(続けて)見ます!!」と今回で思いっきり手のひら返しとなりました。

初音のオタクトーク(早口)を聞かされた様子では藤谷さんの気持ちを動かすにはまだ何かが足りないんだろうなと思ってたもんで、練習場に足を運んでくれた理由が分からないっちゃ分からないんだけど、このやりとりから所属してることは知ってたっぽいから穂刈さんの存在もプラスの材料になっただろうし、たぶんこれ朝陽も自分で勧誘したんだよね。

藤谷さんの入団に際しそういうところを描かないと“簡単すぎる”となるところですが、そのぶんの尺を『演奏シーン』にたっぷり使うこと、そして演奏を終えブラボーの喝采を浴びながら充実感に満ち満ちた楽団員の表情を見せることで充分伝わるだろうと、“余計な説明はいらない”というこのドラマ作りの姿勢が気持ちイイ。
さらに言うと「威風堂々」の演奏を今回の目玉・見せ場とするにあたり、練習シーンで朝陽の「オニ指導」という形でこの曲が「どういう曲であるか」を視聴者に説明してくれてるんだよね。ここいらへんの描き方・見せ方が巧い。ちゃんと「音楽」がど真ん中にある。

とは言ったものの、ツダケン議員の豚汁作戦により帰りかけてた客がほぼほぼ全員客席に戻った理由だけはわからなかったんですけどね。
永山絢斗がイケメンバイオリニストとしてどれだけ知名度があるのか分からない(現実で言えば誰々と想像できる人がいないのでピンとこない)けど、それこそ三島彰一郎が飛び入りで演奏しますってんでもない限り、客席にいたのが吹奏楽部の生徒とその家族だということを差し引いてもあんなに大勢が戻ってくるってことはないだろうと。
だって豚汁に釣られるような田舎なのよ?w(これはとてもいい田舎演出w)(てか「豚汁を食べ終わったらそのままお帰りください」ってww)。

そんでそこはまあこの作品世界で三島彰一郎はめちゃめちゃ大人気のイケメンで、彼が客席に座るというなら同じ空間に居られるチャンスを逃す手はない!ってんでみんな戻ってきましたよってことでいいとしても、玉響の演奏が終わった瞬間観客全員がスタオベはさすがにないだろ。
てかこのドラマのクライマックスは「新しいホールのこけら落とし公演を満員にし成功させる」ことだろうに、ここで「満員の観客にブラボーされる」とやってしまっていいのか?。戻ってきてくれた客は半分ぐらいで、客は半分だったけどスタオベしてくれたってぐらいで留めておいたほうがよかったんじゃないか?。


と思いつつ、朝陽が見せた笑顔に玲緒さんと完全シンクロで「ちょっとなにアレ!??????」となってしまいました・・・・・・・・・・。
この感じはあれだ、吉高ちゃんが定時で帰るドラマのむかいりと同じやつだ・・・・・・・・・。