『リバーサルオーケストラ』第9話

玉響の解散話が出たのは市から補助金が出てるからで、高階フィルとのフランチャイズ契約が結べるとなったからには補助金を出してまで玉響の運営を続けさせる必要はないだろうということになったからと記憶してるんだけど、それを言い出した本宮の魂胆はもちろん「市長の座を奪うこと」にあるんだけど表向きは「金の問題」だったわけだよね?。
利益が出ないから解散という話がでたわけで、前売りで完売となった時点で利益は出てるだろうから実際に満席である必要はないだろうに、本宮の売り言葉を市長がホイホイ買ったことによる「満席でなかったら解散」なんて非現実的な争い(それこそSHOCKやエリザベートといった発売即完売となる超人気演目だって当日「空席」はぜったいにあるからね)(だからたった5席が埋まらなかったのは誤差の範疇だし、逆にあと5席ぐらいなら友人知人にでも頼んで座ってもらえばいいだろう)をしてることにはちょっと気持ちが醒めるところがなくはなかったんだけど、でもこのドラマは最終的にそんなことは「どうでもいい」と思わせてくれるんだよな。

例えばさ、運命の演奏に合わせて客席の空席状況の変化を挿入してどうなる!?埋まるのか!?と煽るような演出をしたっていいわけだけど、このドラマはそれをしない。「演奏」は演奏でしっかりじっくり聞かせるし(本番はばっちりソロを素敵にキメる穂刈さんを満足そうに見る笑顔の朝陽ってばもうっもうもうもうっ!)、そこに満席だの解散だのといった要素を介入させることはない。
ただ「音楽を愉しむ」様を描くだけ。初音が「大好き」だと言ったステージ上と客席が一体となる瞬間がそこにあるだけ。
(これまでに関わりが描かれた人たちが客席のなかにいるんだけど、全員「これこれこういう関わりがあった人」だとすぐ分かるって、いかに優れた群像劇であるかの証明だよね。捨てキャラがいないってことだもん。蒼くんがバイトしてた現場で一緒だった貫井さんが演奏を聞いて目を潤ませているのには釣られ泣きせずにはいられないっての!)

その結果「満席」にすることはできず、玉響は解散となった。
でも玉響の演奏を楽しみにしているという「市民の声」によって、この時点での解散は回避することが出来た。
市議たちの考えを変えさせたのは「市民の声」だけど、それはこれまで玉響が市民に愛される楽団を目指して真摯に「音楽」と向き合ってきたことの成果で、つまり「音楽の力」なんだよね。

このドラマの素晴らしいところはまさにそこ。
どれだけ描写に粗があっても「音楽」に対する愛情と情熱という柱は折れることがないという絶対の信頼感があるから安心して見ていられる。
朝陽曰く「音楽を政治に利用する」本宮に対して『ご自身が他のお客様から聴く機会を奪った音楽がいかに素晴らしいかをどうぞ思い知ってください』と俺たちの小野田に言わせるの最高すぎだし、冷静にキレてる・・・と思った直後に『つべこべ言わずに座れ!!』ってガチギレやんwwwとなる小野田マジマジ最高な!!。人型たまちゃんはマジできもかったけどw。

ていうか、前回の感想で(音楽と恋愛のバランスが)恋愛に傾いてくれるなよと書きましたが、“勢いで朝陽にコクってしまった初音”がまさかあんなにもトンチキ可愛いことになるとは(そしてそれをニヤニヤしながらみている自分が)嬉しすぎる誤算なんですけど!。
前々回のテレビ出演で「乗り越えた」とはいえ「ステージでチャイコンを弾く」のはまた別の感情がありそうなものなのに、朝陽は“谷岡初音に救われた瞬間”を思い出してはいたものの初音はノリノリのウキウキで演奏してる「だけ」だったのには“ドラマとして”なんもないんかい!!と思ったけど、大好きな玉響でかつての十八番を大好きな人の指揮で弾けるんだもん、そりゃ「楽しい!」以外の感情なんてないよなと納得したわw。


次回がもう最終回だなんてやだやだ早すぎる!!
・・・んだけど、玉響のチャイ5はもちろんだけど高階フィルのエロイカ、というよりエロイカを指揮する加藤雅也が楽しみすぎる。
オケの人たちともうまくやれてるようだし、彰ちゃんはやっぱり宇宙イチかっこいいなー!で終わるかと思った三島彰一郎にもまだ成長ドラマがありそうだし、最終回がめちゃめちゃ楽しみ!(本気で終わってほしくはないんだけど!)(キャストが苦手だから見なくていいかなと思ってたとか信じられない・・・)。