『リバーサルオーケストラ』第5話

「演奏」こそなかったものの、『新ホールのフランチャイズ契約を巡りこけら落とし公演で高階フィルと玉響がコンペを行う』という後半の展開に向けて「高階フィルと初音」「高階フィルと朝陽」の関係性であり、「日本最高峰の高階フィルが地方の弱小オケとコンペを行う」ことへの「建前」と「本音」であり、「常葉親子と三島親子の対比」であり、そして「朝陽と初音の出会い」を描きつつ、団員たちの「想い」に触れるという、主に心情面を説明する重要回でした。

市長にとってかわりたい本宮の思惑はいいとして、高階フィルはなんでこんな地方都市の一市議の話に乗っかろうとしてるんだ?という疑問は2億の予算と市と繋がりができることで公共事業を受注しやすくなるという「建前」と、高階フィルに傷をつけた(自分に恥をかかせた)谷岡初音を潰す?という「本音」共にこの説明で納得できたし、高階フィル対玉響の構図についても発端こそ議員同士の権力争いによるものだけど、実はその議員はどうでもよくて、高階フィルのオーナーに三島父、彰ちゃんに朝陽と全てのベクトルが初音に向かってることが判ったことで、安易な展開だなという印象はなくなった。

恋愛要素はいりません派のわたしなので初音さんを心配するあまり常葉さんに絡む蒼は正直うぜーなと思うけど、こういう云わば「静」の回でもしっかり楽しませてくれるんだから、いよいよ『面白い』認定していいよね。いいと思うよ!。津田健次郎の煽りに煽り返してドヤる岡部たかし なんてものが見られるのはリバーサルオーケストラだけだし!。

メインである玲緒さんの話は次回へ続くとなったけど、谷岡初音という「天才」を常に目の当たりにしているなかで、「才能がある人のことは忘れない」というライターに忘れられてたこと(玲緒さんも以前このライターに取材を受けたことがあるのだろう)、そして常葉さんが「ソロを弾かせたい」なかに自分は含まれていないことが引き金となって“合宿を抜けバレンタインガラにも出ない”と申し出たってなところでしょうが、そこに三島彰一郎の物語も繋がるのかなー。
玲緒さんの気持ちを変えるのは常葉さんでも初音っちでもなく、藤谷さんだったりしないかな。
恋愛要素はいりませんと書きましたが、玲緒さんと藤谷さんがケンカップルになるのは大賛成です!ていうかその未来しか見えん!!。

それで言うと、主に演奏直後に朝陽が初音に向ける「笑顔」はなんなん?と思うところがなくはなかったんだけど、文字通り朝陽にとって初音は「特別」なんだってことが解ったんでこれまた納得です。
初音の妹に「朝陽くん」と呼ばせてる(それを許してる)こともその延長ってことでいいし。
てか怜緒さんの酌を秒で断る朝陽に「言い方」となったけど、奏奈のからあげは素直に食べたうえに「美味しいの顔」って、ほんっとズルいよね、この男。乱暴にコートを頭から被せるのとかイ〝イ〝イ〝イ〝イ〝ィ〝ィ〝ィ〝ってなったわよクソクソッ(初音の腕の状態は演奏家生命を絶たれるとかそんなことになるんじゃないかと心配してたんで、冷血漢!鉄仮面!バカアッ!!というラブコメで留まりそうで良かった)。