深町 秋生『煉獄の獅子たち』


「地獄の犬たち」に連なるクライム・サーガ第2弾とのことですが、世界観的に繋がってるというか、同じ時代・舞台での物語というだけで直接の繋がりはないように思うのだけど(それで特に問題はなかった)どうだろう?。共通することといえば「目的をもって組織に潜入してのし上がる」ぐらいだけど、人物とか組織とか、具体的につながりを示す描写とかあったのかな?。

関東最大の暴力団組織の組長が死に、息子とアジアを舞台に稼ぎまくりあっというまに頭角を現した新星との間で熾烈な跡目争いが勃発し、息子のほうが新たな組織を立ち上げ組は二分する。
息子のボディーガードを務める織内と警察の暴対に所属する我妻がW主人公で、2人の視点でヤクザの抗争と警察組織の陰謀という二本の柱が並行して描かれ、いずれ両者が交わる瞬間が来るんだろうと思いながら読み進めるのですが、なかなかその時は訪れず、ようやっと両者の世界が交差したと思ったらあっという間に主人公の片方が死んでしまって呆然。このキャラこんな感じで殺しちゃうかよ・・・って。
織内の物語においてそれは必要であり必須な展開だとはいえ、義兄と姉の死も衝撃的でありながらアッサリだし、血みどろでありながらカラッカラの世界観は好き。正直内容は覚えてないけど、地獄の犬たちもその世界観・空気感はいいと思った記憶は残ってる。

で、これ完全に「俺の戦いはここからだ!」エンドだもんで続きが楽しみ!と思ったら、地獄の犬たちがこの物語の続き、というか、この作品は地獄の犬たちの前日譚だってMAJIですか?。