大倉 崇裕『死神刑事』

死神刑事

死神刑事

無罪が確定すると単独でその事件を再捜査する一人の刑事。無罪とは警察にとっては敗北を意味する。再捜査とはその傷を抉りだすことであり、その刑事は警視庁内で「死神」と呼ばれる。
死神こと儀藤堅忍はそのかっこよすぎる名前に反し地味で小太りで頭は薄く声は甲高いというなかなかにアレなルックスの持ち主で、性格もまぁ・・・あんまりよろしくない感じの人間なのですが、大倉さんは変人を魅力的に描くことがほんとに上手いな!。
基本単独行動をする死神は再捜査にあたり無罪となった事件を担当した捜査官を一人補佐として指名するという設定で、死神はその捜査官の視点で描かれるのですが、視点人物の性別や性格に関わらず一環してブレない人間性である一方で、それぞれの見方・感じ方によって異なる魅力が描かれそれがちょっとずつ増していくんですよね。死神の“相棒”となったものは裏切り者として警察内での立場がなくなるところを“切り札”をちゃんと用意する去り際もかっこいいし、読み終わるころには「死神さん・・・(キュンッ)」となる・・・・・・・・・ってのは言い過ぎだけど(笑)、早く次の死神・儀藤が読みたくなってる。
でもこれ、実写化することになったら普通に見た目からしてカッコいい死神になるんだろうなー。