『競争の番人』

まずですね、設定とかストーリー以前に小池栄子と坂口健太郎山本耕史は週7で会ってるのではないか?という思いが先に来る。
ついでに言えば大倉孝二小日向文世もそこに混ぜたくなる。それぐらいの大河感。つまりキャスト的にはド安定。小池栄子の上に寺島しのぶがいるとか強すぎだろう。

綾瀬はるか大泉洋をコンビで出して大惨敗(と言っちゃう)だった前クールと同じ原作者の作品だってんで不安しかなかったけど、スタート時点の期待値がゼロどころか地底レベルだったこともあってか、なんだよ面白いじゃないか!と驚いてしまった。この作家さんの作品を読んだことがないので原作と作品の出来にどれほどの因果関係があるのかわかりませんが、同じ原作者(の作品のドラマ化)だとはちょっと信じられないんだけど。
前クールは「コンビ」だったのに対して今クールはド安定キャストによる「チーム」だからであることが大きいのか、それとも単純に脚本と演出の力量差に理由があるのか、いずれにしても嬉しい誤算。
口から白い息を吐く気温のなか川に入ってパソコンを探し当てた瞬間の坂口健太郎の表情にゾクっとなったもん。

前クールの印象からこの原作者の作品はザックリ言うと「強い女」が主人公になるのだと思ってて、捜査中にミスって公取島流しされた元捜査一課の女刑事という設定はまさにそのイメージ通りなので杏ちゃんも綾瀬さんのように“いけ好かない主人公”になってしまうのかと、それが不安の一つであったわけですが、ふたを開けたら勝手がわからないことを差し引いても相棒にいいように使われて振り回されまくりの脳筋気味だけど運動神経がヤバそげな女で、いけ好かない系ではなかったことにホッとはしたけど杏ちゃんに合ってるかというと、今のところはノーかな。
ウエディングドレスを着せられて、満更じゃない顔で「じゃーん!」とカーテンを開けてもそこに誰もいなかった・・・なんてトホホキャラをやっても可愛いどころか痛い感じになっちゃうんだよな。

まあ「野菜を追いかけて犯人を取り逃がして左遷された」と噂されるキャラなんで痛キャラ設定であるといえばそうなのでしょうが、それこそ綾瀬さんのような陽性なら笑えるけど杏ちゃんはそうではないので、そういうのは大倉孝二という適材に任せて杏ちゃんは「実直」とか「気持ちで体当たり」とかそっちに向かってほしい。
そういう杏ちゃんと東大法学部を主席で卒業(帳簿の数字を「覚えてた」のは直感像記憶能力持ちというわけではなく超絶記憶力がいいってことでいいのかな?)し小日向さんとの因縁持ちである坂口健太郎の「考え方」がぶつかる方向で。

で、杏ちゃん演じる楓が一発アウトで左遷されたのは、捜査が棚上げとなったことからして楓が取り逃がした「犯人」が『訳あり』だからで、その『訳』には小日向さん演じる国土交通省のお偉いさんが関わっていて、いずれ小日向さんが坂口健太郎演じる小勝負と楓の「共通の敵」になるというのが縦軸だと思ってていいですよね?。公正取引委員会の職務的に「悪事」を暴いてスッキリ!というわけにはいかないだろうから(そんなにすぐ「結果」がでるもんじゃないよね?)、楓が真実を暴きそれが小勝負の復讐を果たことになるのだと。

とか思ってたら初回で二人も死人が出てて、前クール同様弁護士とはいえやってることは事件捜査になりそう・・・。

さらに言うと楓が結婚を意識してる刑事の恋人は別に女を作ってそうなんだけど・・・・・・。