- 作者: 中山七里
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2017/03/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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以下内容に触れてます
これ、少なくとも3冊ぐらいはシリーズ化できそうなのに、善吉さん死なせちゃうんだ!?。
という驚きが強すぎて、そのあとで描かれる“真相”がわりとどうでもよかった。
でもこれ、まるでおまけというかついでというか、そんな感じで描かれるんですよね。失火とされた火事は実は放火殺人なのではないかと疑い単独で捜査する刑事の視点もあるのに、この物語において父親の死の真相はどうでもいいんですよ。結果的に救われた者たちがいるわけで、護りたかったけど護れなかった者たちが今度こそ護ろうとする話なわけで、だからこそおまけかついでのように描かれているということなのでしょうが、爺っちゃんカッコよすぎるだろうよー!。
そう思うと同時に、でもこんな父親だったから息子は最終的にクズ人間になってしまったわけで、それがわずかな苦味となって残る。
ああ、だから善吉さんは死んだんだ。この物語は善吉さんの死をもって完成するのか。