- 作者: 中山七里
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2017/07/21
- メディア: 単行本
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とても緻密に積み上げられているので、全ての“視点”には必ず役割であり意味があろうことは明らか。だから犯人が確保され(これはこれでまさかこの人がと驚き、そして解ってみればこの人しかいないだろうという説得力がある)、残りページ数を考えるとこれからの展開にそれらが関係することも想像ができてしまう。そういう意味では“予想通り”であり“予定調和”なのですが、とにかく緻密で無駄がない話運びなので変な表現になりますが付け入る隙がないのです。ただただ黙って読み進めることしかできない。どう考えても物語の鍵というか、それこそ“元凶”だろうに途中からその存在がまるで消えてしまっていた人物の『真意』が明かされるタイミング、そしてその内容も物語の〆として完璧で、本を閉じた瞬間「小説を読んだー!」という充実感に包まれました。