石持 浅海『鎮憎師』

鎮憎師

鎮憎師

終盤の謎解きまで、なぜ沖田という男が所謂「探偵」ではなく「鎮憎師」という存在であるのか、それが解らなかったのですが、憎しみの連鎖を止めるとはこういうことかと至極納得。
話の内容自体はさして面白味がなかったんです。過去の事件も現在の事件も人間関係含め全く興味が持てず、推理の流れも「○○だから○○するはずがない」と言い回しが多く論理的でも客観的でもないしってんで退屈だなーとすら思いながら読み進めていたのですが(それでも読むのをやめないのは石持さんだから)、こういう『謎解き』の描き方(見せ方)があるのかと、ちょっと感動してしまった。
しかしあれですね。男女混成のグループがあってその中に同性愛者が4人いても、今はツッコミが入らないんですよね。それはとてもいいことだと思う。