石持 浅海『殺し屋、続けてます。』

殺し屋、続けてます。

殺し屋、続けてます。

殺しの依頼を受け、ターゲットについて調べ、仕事が成功し、つまり殺し終わったあとで調査過程で浮かんだ「謎」について「たぶんこういうことだったのだろう」と解き明かされる・・・というスタイルは前作と同様ですが、前作と今作で大きく違うのは殺し屋がもうひとり登場すること。とはいえ「競合」するとかそんな話にはならず(この先なる可能性はあるけど)、二人の殺し屋が淡々と仕事をする話が平行して描かれるだけなのですが、年代はそこまで大きく違わずとも性別もライフスタイルも全く異なる二人の殺し屋の仕事に対する考え方でありアプローチの仕方がほぼほぼ「同じ」であることが面白い。

今作のラストでお互いの仕事がそうとは知らずに重なっていたことでお互いについて興味を抱いたらしい二人の殺し屋が、片や650万+オプション料金設定アリで片や550万ポッキリという料金設定含めこの先どんな形で交差するのか楽しみだし、今回で初めて視点となった仲介人の話もまた読みたい。