『視覚探偵 日暮旅人』第7話

ねえちょっとこれものすごい面白くなってきたんだけど、だから初回のれんれん親分はなんだったんだって。亀吉が仲間に加わったあの1話から娘の前で死ぬわけにはいかないと最期の力を振り絞って視界から逃れようとするも旅人の「赦します」で力尽き願い叶わずていの眼前で母親が死ぬなんて話になると思わないじゃん。幼い頃借金のカタに売り飛ばされた少女にドラッグデザイナーとしての才能があったがために旦那を殺され娘を人質に取られ、そしてその娘の目の前で死ぬ羽目になるだなんてドクターことていの母親の人生壮絶すぎんだろ。
まぁ主人公自身が両親が殺された過去を持ち、自身も誘拐され新型ドラッグの被験者となり、その結果視界以外の五感を失い残った視界も遠からず失う運命なわけで、そんな人物が主人公の物語が“お弁当手放さない馬鹿のせいでヤクザに追われて穴に落ちた”なんて調子で進むわけがないわけで、むしろ初回のノリがどうかしてたんだと今ならばわかるけど、こういうドラマなんだということをもうちょっと匂わせていればそれこそ藤原竜也主演のあのクソドラマを見てた(期待した)層あたりにはもっと刺さったんじゃないかと思うだけに、あの1話はなんだったんだ感が否めません。このとーりをもっと多くの人に見てもらいたかったのにー!。
いやれんれん親分はあれはあれでものすごくよかったんですけども。
つーかイケテツはこれ有起哉に殺されちゃったのか?。殺された!?と思いきや次回も元気に登場してお前死んでなかったんかーい!ってなことになる可能性は充分あるとは思うけど、でも有起哉リッチーはロストキメちゃってるっぽいし、話の流れからしてももはやイケテツがうろちょろする雰囲気じゃないし、サクッと殺されたかなー。となると傷ついたのはあの場に居た者だけでなく、権藤父娘(と兄)もまた悲しみを抱えることになるのだろう(とゲストキャラの気持ちにまで思いを馳せられるぐらい、これほんとに面白いんだよ)。
それもこれもぜんぶ有起哉リッチーのせい。その背後にいる人物が誰なのか、白石と会ってた人物こそがそうなのだとしたら旅人と雪路はさらに苦しむことになるだろうけど、この時点で誰も彼もを傷つけたのは有起哉リッチー。
普段はキチオカマだけどマジモードになると声音が変わるとか定番中の定番なキャラクターだけど、有起哉はそれを絶妙なさじ加減で演じててやっぱりこの人巧いなと、しみじみ痺れるわー。回を追うごとにリッキーという人物がガンガン肉付けされていくんだけど、それと同時に底知れなさも増していく。あの投げない投げキスとかもうさー!!!それを受けるのがビジュアル最高なとーりとかさあああああ!!!!!(じったんばったん)。
有起哉リッチーはさあ、ずんぐり小柄な雪路に対してはすらっと高身長&長い脚が映えるし、基本背中丸めて前かがみだけどやっぱり背が高い旅人に対しては同じ目線で対峙できるし、二人に対する悪役として見栄えという意味でのバランス感がすこぶるいいよね。そこまで考えてのキャスティングなのかはわかりませんが、こういうのって結構大事だと思う。
ドクターのことを「赦す」と言った旅人。複雑な感情を抱えたまんま旅人のところへ戻った雪路。母親を失ったていちゃん。そこに立ち会った陽子先生がどう絡むのか、そして雪路父が白石になにをさせるつもりなのか。どうかどうか、三人にとって救いのあるラストに向かっていてほしい。