伊坂 幸太郎『火星に住むつもりかい?』

火星に住むつもりかい?

火星に住むつもりかい?

読みながらずっとこういう話最近読んだ気がするんだけどなんだったっけ?と思い続けてたんですが、わかった、ダークナイトカイトくん(相棒)だ。
ちょっとした会話や描写、モブかと思った人間の存在が終盤になってあれもこれもと回収されていく様は痛快で爽快だけど、でも軸にあるのは『俺正義』なわけで、どんな事情があろうとどんな立場であろうと俺正義は俺正義なわけで、ていうかカイトくん馬鹿だよなー。ってなんの感想だ(笑)。
でもこの作品においてもっとも重要というか、もっとも大きなものってのは俺正義の象徴である「平和警察」に最初の1回は様子見をしつつなんだかんだで進言し双眼鏡持参で処刑をフェス感覚で楽しむ『大衆』なんだろうな。どれほど異常なことであっても決まってしまえば受け入れてしまう、心の中では間違ってるんじゃないかと思う気持ちがあってもそれごと受け入れたうえでエンターテイメントにしてしまう奇妙な国民性。