*伊坂 幸太郎『フーガはユーガ』

フーガはユーガ

フーガはユーガ

悪意のなかで生きる不運な子供たちのお話・・・なんだけど、暗くはない。それは主人公が「双子」であり、一人じゃないからなのかもしれない。
視点である「優我」はこういう生き方をしてこういう結末を迎え、その「俺よりも、結構元気」な「風我」はこういう生き方を選びこれからも生きていく。

この胸がちょっと痛いけど、なんだかあったかい感じはすごく好き。

ところで「風我(ふうが)」と「優我(ゆうが)」って名前がとてもカッコいいんだけど、このクソ父親とクソ母親にこんな名前を付けるセンスがあるとは到底思えないんだよなあ。生まれたときにはこんなに素敵な名前を子供につけてあげる両親だったのに、それから数年でこんなクソ親になってしまった・・・ということなら、生きるとはなんて大変なことなのだろうか。