舞台『タンブリング FINAL』@赤坂ACTシアター

予想以上の優也オンステージであった。わたしのお目当てはまず優也なので新体操のみならず歌い踊る優也がいっぱい(ってほどでもないけど)見られるのは嬉しいことなんだけど、コレジャナイ感は否めません・・・。
ていうかこれがタンブリングのFINAL公演だと思うとほんとコレジャナイとしか。だってドラマも合わせて過去何十回ボロ泣きしたかわからないこのわたしが涙目にすらならなかったからね。
別に泣けなかったからダメだとかいうつもりはないんです。最後だってのにこれまでで最も話がペライ。これまでも大した話じゃなかったけど、これまでの比じゃないぐらいペライの。
わたしがこれまでくっそ泣きまくってきたのは満身創痍のキャストが本気で新体操する姿に対してであり、この演技を舞台の一部として成立させるために彼らが重ねてきたであろう努力の日々に対してであって、だから内容なんて関係ないっちゃ関係ないと、そう思ってこれまでの4作を見続けてきました。でもそうじゃなかったみたいです。それだけじゃなかったみたい。


あらすじとしては
・FINALの舞台はドラマ版と完全に同じ時間軸
・現在のカラ高は運動部が軒並みボロボロで、そんな中最強助っ人として渡り歩き各部を立て直してきた優也は「お前でも立て直せない部がある」と言われ男子新体操部の存在を思い出す
・助っ人になってやるべく体育館に向かった優也はカラ高の体育館を借りて練習していた鷲津の演技を目撃
・初めてみた男子新体操団体に興奮しノリノリで「俺が入るからには東京オリンピックだって狙えるぜ!」という優也ですが新体操部員たちは人数不足だから団体は出られないと告げる
・だが真央くんと百瀬くんが“幽霊部員”であると知り、優也は二人を再び部活へ連れてくる
・これで6人に達したものの男子新体操部キャプテンである須賀くんは「団体はやらない」と頑なに言い張る
・でもほんとうは誰よりも団体に出たい須賀くんなので優也がちょっと押すと「俺だって飛びたいんだよ!」
・「でも俺は助っ人優也を認めない」という須賀くんの言葉を中学時代はライバルであり今は最高のチームメイトであるヨシタクが「新体操部に入部しろってことだよ」と通訳
・優也も男子新体操部に入りました
・優也が入ったことで7人になった男子新体操部。つまり誰か1人は出られません
団体メンバーになるべく必死で練習しすぎて全員身体ボロボロに。保健の先生から三日間の完全休養を強制的に言い渡される
・休養期間中、ひょんなことから今日は休養すると言ってたはずのヨシタクが鷲津とツルんでる(鷲津と一緒に練習してる)ことを知ってしまう優也と須賀くんとマネージャーの廣瀬くん
・休養期間が開け体育館にやってきたヨシタクを「鷲津とツルんでたのはなんでだよ」と問い詰める優也
・ヨシタクは須賀くんと塩野くんとともに女子新体操部のコーチであり鷲津大学のコーチも務めるヅカコーチから鷲津大学進学を見越して合同練習に参加するよう声をかけられていたのでした
・なので須賀くんに「お前だって声かけられただろう」と言うも「俺を巻き込むな」と拒絶されるヨシタク
・みんなもおこです
・俺達を切り捨て鷲津を取ったと責められたヨシタクは退部宣言
・事なかれ主義で「お任せちゃん」と呼ばれてる顧問の荒木もあっさり了承
・なぜかそんな荒木に部員たちの怒りの矛先が向かいます
・毎度おなじみ分裂のターン
・ところで荒木は元熱血教師です
・それ優也にバレます
・優也によって体育館に呼び出された部員たち&荒木
・優也「お前ら言いたいことあんなら全部ぶちまけろ!」
・突如ひとりひとりに絶叫ダメ出しする荒木
・釣られてみんなぶちまけます
・ヨシタク「実は鷲津の練習に参加したのは団体の演技構成の参考になるんじゃないかと思ったからなんだ」
・優也「なんでそれあの時言わなかったんだよ!?」
・ヨシタク「一瞬、ここで(鷲津で)練習するのもいいかなーって思っちゃったから」
・ヨシタクに「ごめん」と謝る優也
・これでまた7人になったけど、やっぱり誰か一人出られません
・優也「あー俺大会出られなくなったから。野球部の助っ人頼まれちゃってさ」
・須賀くん「俺達に本音ぶちまけろって言ったくせにお前こそ本音言えよ。お前の考えてることぐらいわかるんだよ」
・生徒会長であり唯一の2年生である塩野くんが「今から建前を言います。僕やっぱり団体出ません。恥かきたくないんで。僕は個人で優勝目指しますから優也先輩が団体に出てください」とツンデレ発揮
・宣言通り塩野くんは個人優勝しました
・団体もがんばりました
・卒業式
・荒木から一人ひとりに贈る言葉
・優也「俺、今までなんでもうまくできるから本気になるのカッコ悪いって思ってたけどできないこと(新体操)本気でやるってカッコいいって知ったよありがとう」
・円陣組もうぜ
・円陣の真ん中を優也に譲るキャプテン須賀くん
・烏野ふぁいおー


こんな感じ。まじなんもドラマねえの(笑)。これまでは一応曲がりなりにも大会での演技というクライマックスに向けて気持ち的に昇っていくというか、そこに向けてみんなが一つになる感じってのがあったんだけど、今回はさっぱり。
一応優也の話と荒木の話と須賀くんとヨシタクの話という3本の柱はあるんだけど、浅いのなんのって。

そもそもわかんねーんだよ。須賀くんとヨシタクと塩野くんは個人で優勝を狙えるレベルの選手なわけ。でも菅谷くんは3年間練習し続けても素人レベルだと。そして真央くんと百瀬くんは団体に憧れて新体操部に入ったものの団体をやらないというから幽霊部員状態だと。で、須賀くんは最初は俺(の代)がかつてのカラ高の栄光を取り戻すと意気込んでたわけだけど、3年時では恥かくから団体なんてやらないって言ってるわけだよね。恥をかくからってことは恥をかいたことがあるってことだと思うのね。最低でも1.2度は団体をやって、散々な成績だったからこそ先輩に申し訳ないからもうこれ以上恥をかくわけにはいかないってことだと思うの。でも真央くんと百瀬くんは「団体やるから」という優也の誘いに「マジかっ!?」って目輝かせたんだよね。二人は須賀くんと同学年なわけで、1年生の時共に団体をやってなかったの?。やってたなら真央くんたちも“恥をかいた”だろうになんでまた団体と聞いて目を輝かせてんの?。ていうか菅谷くんは出てないの?。

須賀くんが団体をやらないと言い張る理由は言ってしまえば「下手だから」ってことなんだよね。下手だから出ても恥かくだけだと。でもチームの半分は個人優勝レベル。てことは残りの半分、もっと言えば菅谷くんが素人レベルだから出ないって言ってるようなもんじゃないの?。優也が団体やろうぜって言ってきた“今”は菅谷くんはともかく真央くんと百瀬くんはブランクあるし、どれほど運動神経が優れていても新体操はそう簡単にできる競技じゃないから優也も戦力にはならないと、現状そうであることはわかる。今のことじゃなくって、須賀くんがもう団体をやらないと判断した状況がわかんないのよ。どれほど“酷い演技”をしてしまったが故の今なのか、その時誰が一緒に演技してたのか、そこがわかんないから須賀くんの葛藤が気持ち的に理解できない。さらにその時ヨシタクがどう思ったのか、団体をやらないと決めるにあたりヨシタクはどんな反応をしたのか、そこ描かないから須賀くんとヨシタクのすれ違いもただのすれ違いとしか受け止められない。

舞台のクオリティを少しでも上げるならばゲストタイムを削ってでも「過去」をやるべきなんだよね。どんな経験があっての新体操部の現状なのか、回想としてそれを見せるべきだと思う。でなけりゃカラ高男子新体操部設立メンバー(って言ったと思うんだけど、カラ高の男子新体操部って悠太たちが作ったんだっけ?)の弟であるマネージャーの金子(廣瀬くん)に語らせるとかさ。

で、荒木は何を言われても相手が同僚教師であれ生徒であれ「お任せします」と丸投げする教師で生徒たちから俺達に興味ないんだろって呆れられ、時には蔑まれたりもする教師なのね。でも赴任当初は熱血教師で野球部の顧問をしてたんだけど、フォーム改造を提案したものの成果が出なくて挙句フォームがめちゃめちゃになって、誰よりも野球が好きだったその生徒は野球を辞めてしまい、生徒本人のみならずチームの生徒みんなから「あんたのせいだ」と責められたと。そういう過去を引きずってんの。で、そういう生徒を二度と作らないために無関心教師になったと。でも根は熱血なので無関心を装いながらも男子新体操部メンバーのことをちゃんと見てるし新体操教本も暗記するほど読んでると。それを優也と、同期っぽい保険医の女に見抜かれ、「変わるなら今だ」「言いたいことがあるなら言え」と背中押されて無関心教師の仮面を捨てるってな話なのね。

ここだけ切り取ればひとつのドラマではあるけれど、でも別になくてもいい話なんだよねぇ。一応新体操部員たちが思ってることをぶちまけるキッカケという役割を担ってはいるけど、別にそれがこの教師である必要はないのよ。高校の部活動を舞台としてるわけだし、生徒たちを“見守る視点”として教師の存在は必要です。でもそれはあくまでも見守る視点であって今回のカラ高男子新体操部の物語に教師の物語は不要だと思う。ゲストタイムを削ってでも過去描写をすべきと前述しましたが、それを言うなら荒木のモロモロをなくせばもっとしっかりカラ高男子新体操部を描けたのになーと。

そして主役の優也。運動神経抜群で瀕死の各部からひっぱりだこの人気者・・・ではあるんだけど、誰からも「軽い」「軽薄」と言われてるんだよね。わたしはそこにドラマがあるんだと思ってたの。あちこちの部活から引っ張りだこで一見友達もいっぱいいるようだけど、実はどこにも属することができない、どこの部活でも必要なときはチヤホヤされるけど必要なくなったら「ありがとう」で終わってしまう関係性しか築けない、「仲間」と呼べる存在がいないのが優也である・・・とか。そんな優也が男子新体操部に「入部」したことで居場所が出来て、そして何でも器用にこなせちゃう優也が初めて鹿倒立やタンブリングという壁にぶつかり、その壁を乗り越えるために教えてくれ支えてくれた須賀くんたちは優也にとって初めての「仲間」だと。そんな仲間たちと共に空を飛びたい・・・ってな話になるんだとばかり思ってたのに、頑張るってカッコ悪いと思ってたのにできないことをできるようになるためにガムシャラにがんばるってカッコいいんだなって、それ違うでしょーと。
それじゃあ個人の話でしかないじゃん。つーか優也はほとんど個人練習してんだよね、劇中で。鹿倒立もバク転もコソ錬してんの。それ見て新体操部員たちが「最強助っ人って言ってるけど影でこうやって努力してんだね」って言うんだけど、いやいや優也さんいままで頑張ったことないらしいですよー^^と。
つまり荒木の話も優也の話も、カラ高男子新体操部の話とは、須賀くんやヨシタクの3年間とは、まったくもって関係ないのよ。それじゃあどれだけキャストが新体操頑張っても気持ち的に盛りあがらない・・・・・・よなぁと。

わたしは今まで舞台版に関してはそこまでの過程なんてどうだっていいとすら思ってたんだけど、これまで4作全てボロ泣きしてきたのは大会に至るまでの物語も含めてのことだったんだなぁ・・・と、FINALにして気づきました。ていうか今思えば(というか今公演と比べてみれば)Vol.1はちょっとまぁ・・・別枠として(ガチお目当ていたんで)、Vol.2はケンケン先輩と良知、ケンケン先輩と豪くん、そしてフィリップくんと千葉ちゃん、Vol.3は馬場さんを巡る水沢(トモ兄貴)とヒデ様のトライアングルでしょ、馬場さんと木戸くんでしょ、Vol.4は聖也さん!!!とそれぞれ燃えたり萌えたりする関係性でありキャラがいたんだけど、今回は特にいないんだよね。今まではそこを中心としてそこから妄想の翼(笑)を広げられたんだけど今回はそうでも。みんな可愛いことは可愛いし局面局面ではいいなと思う関係性があったりするんだけど過去4作のソレと比べたら弱いし(まぁ当初は見る気なかったぐらいだからそもそもキャストに対しての興味だったり思い入れだったりが薄めではあるんだけど)、さりとて『チーム感』がさほどあるわけでもないの。
その理由は明らかで・・・たぶん“優也とゆかいな仲間たち”だから。

やっぱさぁ、誰か一人を突出させてしまったらそれはタンブリングじゃないと思うんだ。
入部のキッカケこそ違うものの新体操のしの字も知らなかったド素人が新体操に触れその魅力に惹かれ夢中になり、やがてチームの中心になるってな流れはドラマ版と同じで、そういう意味では原点回帰というか、FINALだからそこに類似性を持たせたのではないかなと思うのだけど、ドラマ版との違いは主人公が「チームの一員」になりきってないところなんだよね。この舞台の主人公は最後まで最強の助っ人メンタルだった。わたしにはそう見えた。だからキャストの新体操演技に頑張れガンバレって思いながらもなんか一歩引いて見てしまったんだよねぇ。
だからカラ高男子新体操部の魂は『ダチは見捨てねえ!』だとか言われても、とってつけたようにしか聞こえず・・・・・・。


まぁそんな感じでした。
でもこれだけ長文書いちゃうんだよねー(笑)。
てか本編終わったあとでドラマ版からVol.4までのダイジェスト映像が流れるんですよ。本編と練習風景を合わせた映像が。
これは反射的にウルってしまう。だってわたし全部のシーン鮮明に覚えてるんだもん。
そして自分がどれだけ金を遣ったか・・・・・・わりとほんきでしにたくなりましたw。



わたしが観た回のゲストはVol.1から良知とガウチと細貝くんと陳内くん、そしてVol.4から佐野くんでした。
観なくてもいいかなーと思ってたのに観たのはそうですゲスト目当てです。↑これだけ書いといてなんなんですが^^。
ていうかわたし佐野くんが出るって全然知らなかったんで超おどろいた。
ていうかただでさえVol違いの中にひとり放りこまれるのも大変だろうにそれがこのメンツって・・・・・・と気の毒になったわw。
でも陳内くんと友達みたいで、ひとりテンション&テンポが違う佐野くんをうまいことフォローしててやっぱ陳内くんかっこいいわーってなりましたw。
つーか佐野くんは当然「日曜朝8時に見たことある!」って言われるわけで、変身ポーズをやったんだけど(思いだした!本編中にキョウリュウグリーンもステップ踏んだんだ!)、ベルト嵌めてロックシードオンして「変身ッ!」って言ったあとで『オレンジドーーーーン!』っつっててクソワロタw。
で、そんな佐野くんに「・・・・・・・・・」って微妙な間を置いたのちに「カッコイイっ///」ってダイブして押し倒す細貝くんってかバスコオオオオオオオオオオ!!(注;バスコの人はVol.1でオカマのマネージャー役でしたw)。
相当激しく押し倒しててモッチャモッチャしてたんだけど、良知だったかなぁ?超冷静に「(押し倒すまで)間があったね」って突っ込み入れてたけどw、多分細貝くんオレンジどーんがカッコイイとは思えなかったんだろうねw。
あと座りましょうかと促され、真ん中におかれた赤いソファの真ん中に当たり前の顔で座るガウチの横にこれまた当たり前に座る細貝くんねw。
そしたら良知も陳内くんも座ろうとするもんだから2人掛けのソファぎっちぎちw(苦笑いでそれを見るしかない佐野くんw)。
良知とガウチはカラ高が団体に出ると聞いて陣中見舞いに来たという設定なんだけど「え?高校生???」と真顔で突っ込む現役カラ高生たちにイマドキの子だなーとかおもいましたw。
てか特に良知は主に優也からはっきり「おじさん」扱いされててw、ああ・・・仲良しさんなんだなーってニマニマw。

個人的にときめいたのは「筋肉だいぶついたじゃーん」っていいながら優也の胸のあたりをつつくガウチと言われてうれしそうな優也。
そしてガウチが優也に「インザハイツに出てた人だー」って振ったんだよね。そしたら須賀くんと菅谷くんだったと思うんだけどいきなり96,000を超ノリノリで歌い出して!!止めなかったらフルで歌ったんじゃないか!?ってぐらいの勢いで!!。ユーチューブで見たって言ってたけどほんと好きなんだろうなーってのが伝わってきて、なんかとても幸せな気持ちになりましたw。
そんでもって「あとここで(この会場で)全身真っ黒の人いましたよね?」ってんでガウチが「あくまで執事ですから」ねw。
それに対して「そんでおじさんを倒した」って言う優也ねw。
優也とガウチと良知はカテコの時もナチュラルに肩組んでて、やっぱこういうの見ると嬉しくなっちゃうよね。
ってことをハイタッチの時に超高速で優也に伝えたら「必死やなw」って大阪弁で笑われて漏らしました(笑)。優也まじ男(笑)。



どうか最後まで怪我なく無事に幕を下ろせますように。