『BORDER』最終話

サイガーが「安吾くん」と呼んでくれ、情報屋は「仕事抜きで酒を酌み交わそう」と言ってくれたというのに、石川向こう側へ行っちゃったかー。
課長が、立花が、比嘉が、情報屋が、便利屋が、サイガーが、全員でもって石川を引きとめようとしても南朋さんが体現する絶対悪の魅力には勝てなかったってことなのかー。
いやぁ・・・いやぁ・・・・・・・・・・延長なしの1話完結で絶対悪を口にする最凶最悪の犯人との戦いってもうどうなっちゃうのかと思ってたけど、正直最終回が全部ぶち壊しちゃうんじゃないかとすら思ってたけど、最後まで振り切ってくれたこの結末は納得です。お見事。南朋さんも出演ドラマ史上1.2を争う当たり役なのではないかとすら思うこの小栗旬を相手に全然負けてなかったし。ラストシーンのあの底なし沼のような目はさすが。
つーか南朋さんマジで吐き気がするほどかっこよかった。普通だったらこういう役ってもっと盛りたくなると思うんだ。子供に対する“やさしいお兄さん”の顔とお前がやったんだろう?と聞かれ「はい」と答える顔に変化をつけたくなると思うの。でも南朋さんはずっと変わらなかった。最初から最後まで淡々と悪事を働き絶対悪とはなんぞやと語り、そして最期の瞬間までその顔は変わらなかった。死ぬ瞬間どころか死後も、「ようこそこちら側の世界へ」ですら変わらなかった(子供に「指切りはしてあげられないけど」と言ったのが“幽霊との物理的接触はできない”からだとすれば南朋さんが石川の肩を掴むことは出来ないわけで、だからもしかしたらこれは境界線を越えてしまった恐怖が見せた石川の幻覚かもだけど)。
ああ・・・こいつと戦うためには「人を殺せる」ようにならなきゃならないんだなーって、南朋さんの言う『こちら側』へ行かなきゃならなかったんだなーって、結局それは石川の敗北でしかないのに、それでも境界線を越えてしまった。越えるしかなかったんだなーって。それを理解できる・・・・・・ってわけじゃないけど、そう思わせるだけの何かがこの気持ち悪い南朋さんにはあったと思う。
まぁ言うほど『絶対悪』とは思わなかったというか、身体に唾液でアルファベット描かれてるという事例が他にあるなら(これ当然自分が非分泌型だと知ってるからなのでしょうが『唾液』ってところがド変態よなぁw。てか唾液付けた指で書いたんですよね!?まさか直接舌で書いたんじゃないですよね!???)比嘉がそれに触れないはずがないので、南朋さんが人を殺したのは今回が初めて、つまりまだ絶対悪ロードを歩き始めたばかりってことだと思うのよね。だから心情的に、石川が越境してしまったことの対価としては弱い・・・というか、情報屋が相手がボロを出すまで待つしかない、そのために多少の犠牲はやむなしだと言っていたように、何もそこまでしなくてもよかったんじゃないか?というか今はまだその時じゃなかったんじゃないか?という気はしなくもないけど(今回のことで子供の手を放す親が減るだろうって言ってたけど、そういう目的(?)ならばいずれプチ家出と称してフラフラしてる小娘や男を手玉に取る女を手に掛けることもあったかもしれないわけで、“女を釣る南朋さん”“女の身体に唾液でサインする南朋さん”が見たいですw)、でもコイツ野放しにしておくわけにはいかない感はめちゃめちゃあった。
いや南朋さんを「お兄さん」って言うのはちょっと無理があるんじゃないかとは思いましたが(笑)。
てか屋上で小栗さんに突き落とされそうになってる時の南朋さん身体に全く力入ってないように見えたけど、あれどうやって撮ってたんだろうなぁ?。
あと南朋さんの胸倉を掴むおぐりさんによる壁ドンならぬ壁頭突きな(笑)。さすがの絶対悪さんもちょっと動揺が見えてちょっと可愛かった(笑)。


おぐりさんと南朋さん初めての共演がこの作品であったというその巡りあわせに感謝します。
あっちでは博己くんがこっちでは南朋さんが共に屋上から落ちるというこの歴史的1時間をわたしはきっと忘れない。