えーっと、話の流れとしては、まず不治の病で笛木の娘・暦が死んだと。『その道では有名』だった笛木がどの時点で賢者の石が『生と死を裏返す究極の魔法石』であることを知りそれを使って娘を蘇らせるというまさしく錬金術に辿りついたんだか分かりませんが、とにかくそれを実行に移し、一方で自らも魔法使いになるべく(魔法を意のままに操るべく)人造ファントムなるものを開発し、それを自分の体内に取り込み魔法使いになったと。で、賢者の石を維持するためには常に(定期的に)魔力の供給が必要なんだけど、笛木は儀式に必要な魔力を蓄積せねばならずコヨミに回す余力はなくて、だからサバトを開催し唯一絶望に打ち勝った晴人=ウィザードをその供給源としてコヨミにあてがったと。で、暦を蘇らせるための儀式には計4人の魔法使いが必要で、晴人の他にあと3人の魔法使いが必要だから、そのためにワイズマンとしてサバトで生まれたファントムを使って魔法使いになる資格者=絶望に打ち勝つ人間を探していたと。ついでに晴人の魔力上げも兼ねてたと。そういうことでいいのかしら?。
まずは木崎さんが言う『その道』ってどの道だよ!?という疑問ですがw、最初は医学・科学(化学)的に治療法を模索していたが見つからず、そのうち魔法(使い)の存在を知りそっち方面の研究に傾倒していったと。そして笛木はファントムであり魔法使いの研究者=「その道」での有名人となったってなことなのかなぁ?。あれ?でも木崎さんは笛木の名前を見ても最初は無反応だったんだっけ?。そんでググったり(笑)なんかして笛木の素性を調べた結果ボコられちゃったんだっけ?w。とするとその道はファントム&魔法使い研究ということではないのか。
こうなってみるとファントム専門捜査機関である国安0課ともうちょい上手いこと絡ませておけばよかったのになー。仁藤ビーストという『古の魔法使い』がいるってことは昔から魔法使いでありファントムは存在してたということなわけで、0課は以前からずっとそれを調査し追い続けている組織なんだけど、そこへそれまで把握していた魔法使いとは異なるタイプの魔法使い(ウィザード)が現れファントムの出現もこれまでにないほど頻繁に確認されるようになり、そしたら所轄の刑事がその魔法使いと接触したってんですかさず0課に転属させ、なんだかんだあって情報を共有するようになり、調査報告の形で段階的に賢者の石とか魔法と科学の融合とか人造ファントムとか、はっきりとじゃなくてもそれらについて匂わせるような情報を小出しにするべきだったんじゃないかなーと思うんだけど。
確かにワイズマンが『人造ファントム』なんて存在だったことは驚いたけど(あと笛木が堂々と「笛木」って表札出してる『自宅』にいるのに「よくここが分かったな」って言ったことにも驚いたけどw)(あとあとコヨミのアンティーク調のファッションが父ちゃんの趣味だったとは!!w)、それはそんなことが出来んのかよ!?科学スゲー!!という驚きであって展開そのものに対する驚きではないんだよね。つーかイメージ的には人造ファントム=紛い物なわけで、そんな存在に天然ファントムであるメデューサやフェニックスがなぜ無条件に従っていたのか?メデューサに至ってはあそこまで崇拝していたのか?という疑問は強くなったし。まぁなぜメデューサにだけゲート探知機能があったのか?という疑問と合わせてもうその理由が明かされることはないんだろうけど。
で、こうなってみれば「俺が最後の希望だ」なーんつって魔法使いやってた晴人だけど実はコヨミ(賢者の石)のための魔力供給源+コヨミ再生儀式の生贄要員でしかなかったわけで、人造ファントムやら賢者の石やら今明かされたあれこれは物語のスタート(番組開始時点)以前の話ってことなわけよね。だからなのかなぁ?ようやっとワイズマン=白い魔法使いの『目的』が明らかになったってのに、ちっとも前に進んだ気がしないのは。「そういうことだったんだ」感が全くない。
つーかアーキタイプであるビーストに儀式参加の資格がないことは劇中で明言されてるけど、ワイズマン自身は復活の儀式に参加するのしないの?。つまり人造ファントムによる人造魔法使いであっても儀式参加するのは問題ないのか?ってことなんだけど。笛木の言うことを信じていいのならば、自分でコヨミに魔力供給を行わないのは魔力温存のためであって人造魔法使いだから「出来ない」のではないならば(やろうと思えば出来るのならば)、人造魔法使いの魔力と天然魔法使いの魔力の間に違いはないということになるであろうわけで、だったらファントムによってゲートを襲わせて絶望させて絶望しなかった人間=魔法使いになる資格者を探すなんてめんどくさいことせずとも適当な人間に人造ファントム埋め込んで魔法使いにすりゃよかったんじゃねーの?って話になるよねーと。しかもユズルや山本さんの様子を見る限り洗脳能力もあるみたいだからサクっと人造魔法使い作ってサクっと洗脳してサクっと儀式すりゃよかったんじゃねーのと。それだけじゃ足りないから晴人=ウィザードをオールドラゴン化させたんだろうけどさ。
てかコヨミは文字通りの『人形』なんだよね?。暦の死体ではなく某死神漫画で云う義骸みたいなもんなわけでしょ?。記憶を失ったんじゃなくて最初から記憶なんてない空っぽの“賢者の石の器”でしかないってことなんだよね?。賢者の石に『生と死を裏返す』力があるのはいいとして、コヨミが単なる器であるならば裏返すべき死んだ暦はどこにいるのって話じゃね?。具体的には暦の人格ってことだけど。だってコヨミの中身は晴人たちと過ごした日々によって育まれたんであって暦のソレとは違うわけじゃん?。
そこいらへんはまぁ「魔法の力」でどうとでもなりそうだし(それで納得できるかどうかは別として)、だからまぁ復活の儀式によって「コヨミ」は消えて「暦」になるってなことになるんだろうけど、笛木の話を聞いて晴人が「全てはコヨミのため・・・」と揺らいだ・・・・のかなぁ?とにかく晴人にとって『コヨミのため』ってのは動機として否定できないんじゃないかと思うのね。でも晴人の『コヨミ』と笛木の『暦』は違うわけでさ、そこをどう描くのかなぁと。
「コヨミ」と「暦」のどちらを取るか!?ってなことになるんだとしても、どちらかを生かすためにこれからサバトをやりましょうってんならそれを止めて代わりの方法、それこそ晴人が変わりに自分の身を差し出すことでコヨミを救ってやってくれとか言いだすとかさ、そういう道も考えられるけどでもこの作品は既にサバトによって大量の人間が犠牲になったところから始まってるわけで、どちらを取るにしたってそれは犠牲の上に成立する「命」ってことになるわけで、心情的にはめでたしめでたしってな話になりようがないよねぇ。
ていうか心情的と言えば「お前の為にどれだけの人が絶望させられ苦しい想いをしたのか分かってんのか!?」という晴人に
「娘を失った私の苦しみに比べればそんな苦しみは小さなものにすぎない」
「コヨミは私の希望だ。その希望を取り戻すためなら私はどんな犠牲も厭わない」
と言い切った笛木はさ、もうこれどんな説得も通用しねーよなー。
前述の通り既に“犠牲にし済”なわけで、「そんなことをしても娘さんは喜ばない」なんて定番説得は通用しないわけじゃん。もう殺っちゃった後なんだから。しかも娘のために集めた魔法使いですら“家族を奪われた”真由ちゃんに“目の前で妻とお腹の子供が殺されそうになった”山本さんと、自分同様「大切な家族」をその材料にしちゃってるわけでさ、もうこれ救いようがねーだろ。
だからもう笛木は死ぬしかないと思うんだよね。あとは自分で死ぬか誰かに殺されるかどっちかしかないだろうと。それってなんかなぁ・・・・・・・。
あーあ・・・この最終局面でこんなことウダウダ考えたくないのになぁ・・・・・・。