福澤 徹三『死に金』

死に金

死に金

帯にやたらと「泣きました」的なコメントが載ってて、ちょっと前に読んだ福澤さんの作品でも「これは私の知っている福澤徹三なのだろうか?」と思ったんだけどこれも同様に「え?感動作なの?福澤徹三なのに??」と書店で暫し固まってしまったわけですが(笑)、読んでみたら『裏社会でやり手として一目置かれてる男が余命僅かとなり、その男が溜めこんでいる億単位の金をモノにしようとするやつらの話』でホッとしたというか、これは帯文がおかしい!これ帯文に騙されたって怒る人がいてもおかしくないですよ!。
いや、結末だけみればまぁ感動作と言えなくもないです。これを贖罪であり救いと受け止められる人にとっては感動的なラストシーンと言えるとは思います。
でも私には無理。宝くじの高額当選した人が軒並み不幸になっている(らしい)ことから分かるように、思わぬ大金ってのは人生を変えるんですよ。多くは悪いほうに。そう考えたらのんびり感動なんてしてられない。ていうかこのラストシーンの前に登場人物ほぼ全滅ですからね(笑)。帯だけ見たら絶対誰もこんな話になるだなんて思わないって(笑)。
福澤さんのこういうところ、好きです(笑)。