横関 大『偽りのシスター』

偽りのシスター

偽りのシスター

第56回の乱歩賞を受賞された作家さんで、受賞作は未読なのでこれが初めて読む作品になります。
帯に『会社をリストラされた兄と、容疑者を射殺してしまった刑事の弟。共に暮らす兄弟の前に突如現れた、腹違いの妹を名乗る謎の女』とありまして、さらに太字&デカ字で『妹に惚れたら、悪いか!?』と書かれているもんで、まぁ・・・そんな感じの作品なのだろう(←察してください)と思いつつ読み始めたわけですが、結構ハードで驚いた。なにこれマトモじゃん!。
そうですよね。だって乱歩賞受賞者さんですもんね。
兄のリストラとか所々展開ありきの設定は目につくものの至って真っ当なミステリー小説で、でも帯文も誇張してるわけでも釣りでもなくその通りの話で、初めて読む作品なんで基本こういう作風の作家さんなのかそれとも今作はこういうタッチで、ということなのか判りませんが(こういう作風ならばもっと萌え方面を入れてきそうなものなんで後者・・・かなぁ?)、よくも悪くも硬派と軟派の真ん中に位置するような感じでした。そこいらへんは「シスター」と言ったら妹よりも修道士(修道女)を思い出すのに(だよね?)あえてシスターという言葉を使ったのであろうタイトルと帯文のバランスに現れてるかと。もうちょいどっちかに寄せた方が読み物としての面白さは増すんじゃないかと思うけど、読みやすいことは確か。
他の作品も読んでみようと思います。