『リーガル・ハイ』第3話

あの案件で球団から1000万をせしめるとか、古美門さんってやっぱ『凄腕』であることは間違いないんだねぇ。
いや、取れる依頼人からは相当ぶん取らなきゃあの暮らしっぷりを維持できないだろうし、そこは服部さんの管理手腕によるところが大きいのだとしてもそれでもそれ相応の収入がなきゃ無理だろうと思うわけで、それはどんな手段を使っても勝つ弁護士だからこそだってのは解ってるつもりなんだけどさ、それでもどうにもこうにもあの外見及び口調及び行動の胡散臭さから『無敗』と言ってるのは自分だけ・・・というか、まー・・・・・・ぶっちゃけ古美門の実力って実際のところどうなんよ??と思う気持ちがあったりなんかしてたんだけど、いくら相手が三木のところの新米だったとしてもこの完璧なる勝訴っぷりを見せ付けられたら認めざるを得ない(笑)。裁判官のツボわかりすぎ(笑)。
で、本来ならばこんな貧乏くさい案件に古美門が関わることはありえないんだろうけど、そこで情熱大陸モドキの密着取材を絡ませることでそれを劇中の流れとして自然に見せるだけでなく、オチとしてしっかり使い切った脚本がうまかった。ガッキー黛の話(過去話と現在の裁判内容)と古美門の話はほぼ別モノとして描かれていたというのに、とっちらかった感じがしないんだよねぇ。それどころかアドバイスを求める黛を「断ぁる!!」と一刀両断で叩き斬っておきながら(言われたガッキー可愛かった!ガッキー史上一番ってぐらい可愛かったw)、“罪を認めたのは依頼人の意思だから今回はノーカンとしてやる”と言ったかと思ったら黛の相手検事への複雑な想いをちゃーんと見抜いた上で「いずれ私が叩きのめしてやろう!」ってカッコよすぎるだろう!!だし、食べたいモノを聞いてくれたからごちそうしてくれるのかと思ったら服部さんに作らせんのかーーーい!!(笑)と思ったら泣いてる黛を「トムヤムクンがちょっと辛すぎたからじゃないか」とさりげなくフォローしてれるとかまじまじカッコよすぎるだろう!!!だし、でもそこで終わらせることなく服部さんオチを持ってくることでこれまでの作品イメージを変えることなく登場人物たちの描写をひとつ深めてるんだよね。ほんと上手いと思うわー。まぁ正直言うと古美門さんにはどこまでいってもデレは不要だと思うんだけどw。
ていうか「井上雄彦あたりどうだろうね?バガボンドのタッチは僕の雰囲気にすごく合ってると思う」って、全然合ってねえええええええええええええええええええええええええwwwww。
黛の話を灰色決着にしたのもやっぱ好みだわ。黛が過去の自分を永山くん演じる依頼人に完全投影してたから結果的に美談っぽくなってたし、本当はストーカーじゃなくて相手も依頼人に好意を抱いてた=無罪ってな話にも出来たと思うんだよね。判決として“無罪”という結果が出ずとも心情的に無罪であるってな作りにすることは出来たってか、そうするドラマの方が多いんじゃないかと思う。だけど相手の近所に引っ越したり朝自宅前で待ち伏せしてたりってのはどうかと思うし、確かつきまとい禁止令を受けてるとか言ってたから多分それらの行動がストーカー認定された理由なんだと思うのね。一方で女が自分よりも“レベルが高い彼氏”と付き合い結婚することへの不安とか不満とかから逃げたくて、自分に純粋な行為を向けてくる男に癒しを求めたことも事実で、その象徴が『似顔絵』だったんだろう。でも結局それはかつて黛がされたことと同様に“つまみ食い”でしかないんだよ。黛のように自分の人生に措いて哀しかったり苦しかったり悔しかったりする記憶になろうとも、それでもそこで身を引くべきだった。そこで結婚式場から花嫁を強奪するという強硬手段に出てしまった時点で依頼人の“無罪”はなくなった・・・ということだとわたしは思う。
その結果としてこの灰色決着はアリだよなと。裁判中ずっと私情挟みまくりの黛には結構イライラしたけど、黛と依頼人の“差”はさほどあるわけじゃないのに、でも黛は弁護士という“勝ち組”で依頼人は真実(気持ち)はどうあれ前科もちという“負け組”になったという描き方は好みです。ついでに心情的に一番ムカつくのは被害者ポジの女なのに劇中ではその女に対する“オトシマエ”を見せないってのも好み。1人の男の人生を狂わせておきながらのうのうと玉の輿に収まるとして、この先この女がどういう人生を送るのか、そこをご想像にお任せしますってな形にしたことで見る人によってこの話の後味全然違うもんね。
ちなみにわたしは女の旦那(載寧)はこの裁判の結果妻に不信感を抱き、でも世間体を気にして離婚はせず家政婦扱いで家に縛りつけ飼い殺し、自分は女連れ込みまくり!見せつけまくり!!ってな将来が待っていると想像(笑)。てか載寧が細かいことに超うるさい面倒くさい男だって知ってるからこのボンボン男が超リアルだった(笑)。確かにこの人と付き合うのは疲れるだろうなーと(笑)。


で、三木の秘書である小池姐さんの流れるようなガンアクションってかヒットマンっぷりはあれなんぞ(笑)。「楽しんでいただけました?」「いやあんまり」とか古美門の相手として一筋縄じゃいかない感がバリバリ出ててたまらんなw。
てかこのピストル、実はライターでしたー!的なオチがつくのかと思ったらそんなことはないし、次回予告に今回ボロ負けした新人弁護士がいたから新人奮い落としの余興ってわけでもないっぽいし、この描写が意味するところは何だったのだろうか。まさかこれ「贖罪」の伏線だったりしないわよね・・・?。