『妖怪人間ベム』第7話

これ息子って二十歳そこそこの設定だよねぇ。なのになんで綾野くん・・・。ベム様たちにヘラヘラ懐いたかと思ったら素性バレして自暴自棄全開になり、父親を殺そうとするも殺せなくて嘆き苦しみ、勇気だして恐る恐る父親と接触し、自分のこと分からずとも忘れられてなかったと喜び、裏切られたことを知り怒りのまま暴走し絶望し、緑汁の餌食になりベム様の変身見て気を失い、そして取調室で涙を流すと感情の起伏に富んだ役を全ての局面でやりすぎない絶妙のバランスで演じてて違和感ゼロだったし、なんといってもそれまでの自分の人生を諦めてるがごとき「めんどくせえ」と夏目の言葉をかみ締めながらの「めんどくせえ」の演じわけはそんじょそこいらの若い子じゃ無理だったと思うけど(べっ別に某頭脳派怪盗の「めんどくせ」を思い出したりなんかしてないんだからねっ><)、でもなんで綾野くん?とは思った。
でも綾野くんが放つ痛みや切なさを伴うマイナスの激情はこのドラマにピッタリとハマってて、緑汁の犠牲者が初めて“救われた”ことと、父親に直接何かしたり言ったりせずグッと堪えて「期待する」三人というラストを含めて出来としてはすごくよかったと思う。きっとこれまでだったらあそこで変身しちゃってただろうけど、でも自分たちの正体を知ってなお受け入れてくれた夏目という存在を得たことで、これまで以上に人間に期待したい、期待しようと思えるようになり、それが裏切られる痛みに耐えられる糧になってるというか、夏目の存在がストッパーになってるんじゃないかなーと思うし、一方で父親もベム様たちが制裁するなりなんなりすれば一応スッキリはするだろうけど、でもそれはあくまでも視聴者(第三者)にとってのスッキリであって肝心なヤマダ親子にとってはなんら意味のない行為なんだよね。親子の間に他人であるベム様たちが介入できるわけでもしていいわけでもないわけで、父親が自分でボールを掴まなきゃ駄目なのよ。だからそれを『期待する』(ことしか出来ない)。この距離感こそがこの作品の味だよな。
・・・まぁボールはベロたんが持ってきちゃったんだけど(笑)。


夏目の爪楊枝発言を速攻自分のものにするどころか「なりたいんだ・・・・・・・・・爪楊枝に・・・」と間まで完璧に自分仕様にしちゃう夏目さん大好きすぎるベム様と、あの運動能力ならばジャンプ一発で目の前まで飛び込めると思うのにわざわざズザーーーーーーーッ!!とスライディングするベム様は今日も大変素敵可愛かったです。夏目さんをおんぶして月をバックに疾走したところまではよかったのにそのあと自分だけ格好よく着地を決めスッ転がった夏目さんを放置しちゃうツメの甘さも超かわいい。