『侍戦隊 シンケンジャー』第十四幕「異国侍」

あー・・・シンケンジャーの持ち味である「本気戦隊っぷり」が今回は悪いほうに影響しちゃったかなーって感じ。14話にして初めて脚本家が変わった影響は大いにあるだろうけど、ここまで根本的に違和感を覚える回になるとまでは思ってなかったです。侍かぶれの勘違い外国人にシンケンジャーが引っ掻き回されるってのは1年間という長いスパンの中での1エピソードとしてありそうだなと思ってたので別にいいと思うけど、実際にアヤカシを前にして殿まで一緒になってドタバタしてるってのは確実に違うだろう。これまでずっと描いてきた「戦うための覚悟」はなんだったのかと。わたしはシンケンジャーの特徴ってのは命を賭けて戦うガチ戦隊ってところだと思ってるのね。名乗りの途中で乱入した一般人に決めセリフ取られて「おっ・・・俺の台詞・・・」と呆然としながら呟くってのは命預けた今だからこそ出た殿のオチャメな一面と見ればいいのかもだけど(それと殿の名台詞「俺、余ってるだろ!」のセルフパロ的な意図もあるんだろうし)、やっぱ違うよ。だっていくら今回のアヤカシがおちゃらけ外道であってもここは遊びの場じゃなくて真剣勝負の場なんだもん。たまたま今回のアヤカシが名乗りがどうのこうのってゴチャゴチャ言い合ってる間寝っころがって待っててくれるような人だったからいいものの、ウシロブシさんレベルとは言わずとももうちょい殺る気マンマンのアヤカシだったならば致命的な痛手を負うことだってありえたわけじゃん。これまでの殿(シンケンジャー)だったらそこいらへんはキッチリ弁えてると思うんだよね。でもその一方で敵を前にしてギャーギャーやるのとか、蛮機獣かと思ったような(単に街を破壊してただけだからシンケンの世界においてはさほど外道とは言えないよな)敵も含めてこれぞ戦隊だとも思うわけ。別に殊更シンケンを特別視するつもりはないんだけど、恒例のギャグ描写がこうまで馴染まなかったってのはちょっとショックだなぁ。この先どの程度の割合でメイン以外の脚本家に書かせる予定なのか知らんけど、この脚本を通したとなるとかなり心配。
流ノ介が異国の人間に言ってきかせた
「ミスターブラウン。侍道で一番大切なことが何かわかるか?それは、諦めないことだ。誰でも最初から何でもできるわけではない。だめでも諦めずに何度でもぶつかっていくことこそが大切なんだ」
という教えが周り回って侍道を突き進んでる最中のシンケンジャーを奮い立たせることになるってのは、定番っちゃ定番だけど定番だからこそいい展開だと思う。問題なのはその過程なんだよな。サムライに見当違いの憧れを抱いてる外人ってのはいいよ。流ノ介たちがつけてあげた稽古に全くついていけないってのも当然だよね。そこまではいいとして、その後の展開には全く納得いかない。流ノ介の言葉を都合よく聞き違えて免許皆伝→自分も侍(シンケンジャー)だ!と思い込んだ外人の「アキラメルナー!」って言葉を聞いて「あいつに教えられるとはな」だの「いい弟子を持ったな」だの言うのがほんと理解できなかったんだけど。だってブラウンが言う「諦めるな」って言葉に何一つ説得力がないんだもん。ただ流ノ介に言われたことをそのまんま言ってるだけじゃん。あんたが邪魔したせいでシンケンジャーがボロボロになったってのに何言ってんの?って真顔で思ったし。これが例えば、稽古が厳しくて一旦は逃げ出したものの諦めきれずやっぱりサムライになりたいからと戻ってきたブラウンが流ノ介にもう一度稽古をつけてくださいと土下座してるところを攻撃され、それを庇い傷ついた流ノ介(シンケンジャー)に「諦めるな」と言ったのならブラウンの中に“諦めない”精神があると思えたと思う。とにかく今回のあの外人の中に「諦めるな」という言葉(精神)が根付いてるとは思えなかったわけ。
ていうかやっぱり殿が違和感なんだよ。序盤で家臣達に対してあれだけ厳しく戦いの場において足手まといになるやつは不要だと、一生懸命だけじゃ人は救えないと、そういい続けた殿なのに、一般人が戦いの場に乱入してくるだなんて状況を「いい弟子を持ったな」って言葉と烈火大斬刀を預けたことで認めちゃってんのが納得いきません。なによりブラウンに自分が取った身勝手な行動を反省させなかったってのが不満。自分を庇った流ノ介が目の前で火達磨になってのたうちまわってるってのに「ニゲラレチャッタヨー」とかなんとか言うもんだからムカっとしたんだけど、結局その後も再び自分のせいで同じこと繰り返したってのに全く自覚がないってのが本当に不満でした。そんな人のどこに侍道があるのかと。せめて殿がそこいらへんを説いた上で(流ノ介に言わせるよう促すんでもいいけど)ブラウンが反省し“侍はそう簡単になれるようなものじゃないって分かった。でも侍になることは諦めずこれからも自分なりの侍道を模索していきます”とかさ、なんらかの反省とフォローがないと勘違いした外人に侍道を教えられたってことになるじゃん。それも殿まで!!。これ絶対納得いかないでしょう。
でね、納得いかないってのが流ノ介→殿の描写なのよねぇ。教科書通りの殺陣を信念とする(そういう風にしか戦えない)流ノ介がブラウンが自分達とともに攻撃されボロボロになったのを見て自分の剣をかなぐり捨ててハチョウチンに向かっていった・・・・・・。“殿を危険にさらすことになるから”もうこれ以上教えてやることは出来ないとブラウンに告げたものの、肩を落としてしょんぼりしちゃう流ノ介(殿に戦えるのかと心配されるぐらい落ち込んでるのに茉子さんのダメンズセンサーが働かないってどういうことですかー?)だから、弟子を傷つけられて怒りに駆られて逆上するってのはいいんだけど、その逆上レベルが問題で、流ノ介が我を失うほど心乱されるのは殿に関することだけであって欲しいってかそうあるべきじゃないかと思うんだけどなぁ。そもそも今回の件に対して殿は即「追い返せ」って言ったわけでさ、言ってしまえばそれが殿の命なわけじゃない。でも後々面倒くさいことになったら困るからととりあえず弟子として扱ってやるってことにしたわけで、目的は諦めさせるなりなんなりしてさっさと追い返すことなんだよね。もちろん最初はそのつもりだったんだろうけど、一生懸命稽古に挑戦する(流ノ介の言うことを聞こうともせず全て自己流にやってたっぽかったけど)姿を見て情も湧いたんだろうし千明にキツイこと言われて可哀想にも思えたのだろう。だから「侍道で一番大切なことは諦めないことだ」と励ましてあげたいと思った気持ちは分かるし、そこに流ノ介の優しさであり真っ直ぐさが現われてると思った。でもそれは殿の命に背くことになるわけだよね。その結果対ハチョウチンは流ノ介が一番適任だってのにブラウンとモチャモチャしてて現着が遅れ、殿たちが攻撃を受ける羽目になったと。だから流ノ介は心を鬼にして「もう教えることはできない」と言ったのよね。殿と仲間達のために。それなのにブラウンに自分の言葉(気持ち)は届いておらず、再び殿を危険な目に合わせてしまった。そこいらへん流ノ介はどう思ってるのかと。いくら殿が烈火大斬刀渡してくれたからって一緒に撃つとかそれどうなのよと。結局ブラウンが何の反省もしなかったのが納得いかないと前述しましたが、流ノ介の謝罪とか反省とかなんらかのフォローがないのも納得いかない。意気揚々と帰るブラウンを見送るのはもうそれでいいけどさ、その後で流ノ介がポケットに手を入れて殿の前をスタコラ歩いてるのがほんっとに違和感だった。千明にちょっかい出されてキャッキャするのは構わないけどやるなら殿の後ろでやれよと。何いい気になってんの!?とすら思ったもん。流ノ介はとにかく殿!殿盲目愛!じゃないとダメだってば!。どんなシチュエーションであろうとも誰が相手であろうとも殿至上主義を変えちゃダメ!!。今回感じた違和感の原因の一つは間違いなく流ノ介の気持ちが一瞬でも 殿<弟子 に思えたからだと思う。


・・・とまぁ14話にして初の(わたし内)ハズレ回でしたが、もちろんいいところはいっぱいあったよ!
・見事な板歯を見せつけのび〜〜っと深呼吸し、「んーーっ今日もいい天気だぁっ。毎日ご苦労さまですーっ。はっは。たまには私も手伝いますよ。えっ?必要ない。あはっはっ。そんなこと言わずにね、たまにはね、こうやって、掃きたいんですよ。・・・ 掃 か せ て く だ さ い !」とウザさ全開の流ノ介に迷惑そうな黒子たん(朔太郎さんだったらどうしようwww)
・やっと見つけたシンケンブルー!と抱きしめられて「え!?なにっ!?」って相葉っち素っぽいw
・オシショー!流ノ介さんあなたは最高の師匠です!とガシっと手を握られながら目をぱちくりさせて「ええっ!?えへへっそうかなー?」ってこれはまじで素だろうwwwってか一瞬カメラみんなwww
・ブ「レッツ武士道!」
流「レッツ武士道って・・・」
流ノ介が冷静に突っ込んだ!!w
・舵木折神回から繋げたのは上手いと思った。一般人に被害が出てるけど、少なからずの人をシンケンジャーが救ってるってこともはっきりしたわけだし、なにより確かにあの時の流ノ介はカッコよかったもの!!
・「何度でも」で人差し指をビシっと立てる流ノ介ってか相葉っち好きーっ><相葉っちの指立て大好きー><
・♪フーンフフ フーンフフ フッフッフーン あ ルンルルルッルッルルン♪って流ノ介は鼻歌までうぜええええええええええw
・「はははは。おーっと、もうこんな時間だ!イカナイトーーーウ!ハッハハハ」ってショドウフォンは時刻確認もできるんですね^^
・「酒だーっ酒持ってこーーーーい!!」→酒ひっくりかえされて→「てめー俺の酒になんてことしやがるっ!!」今日は一段と酷いですねドウコクさん^^
・名乗りに乱入し「まいるぅーーーーーーーーーーー!」と言い張るブラウンに「参るって・・・」と困惑しつつもあのわけわからん決めポーズは一応とる千明可愛いw
・そんな様子を寝そべりつつも最後まで見続けてくれるハチョウチンさんはちょっといい人w
・殿があれだけ苦労した大筒モードを流ノ介にさせる殿!きっとあれから流ノ介は扱えるよう鍛錬したんだろうし、殿はちゃんとそのことを分かってるってことですよね!
・舵木五輪弾する流ノ介の背後で腕を組みつつ見守る殿カコヨス!!!!!
・撃った後、流ノ介が反動の強さに驚きよろけてたのは殿の強さが見えてよかったと思います。こういうのすごくすごく大事


そんでもって一番キャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン☆てなったのは、EDの映画告知で「銀幕版 侍戦隊シンケンジャー」とタイトルだけはしっかり自分が言った後は残りの説明を全て家臣にさせ、最後の「みんな、待ってるよー!」も声には出さずうっすら笑って軽く手をふるだけの殿でした。これぞ殿!!!!!この殿に救われました!。


これから暫くは複数の脚本家が書くそうですが、だてに戦隊見続けてないんでそのうち耐性が出来るとは思うものの、わたしをここまで心酔させた殿の殿らしさだけは貫きとおしてもらわないと困ります!Pは本気で働いてくださいお願いします!
あー子供番組にこうまで本気でイチャモン付ける自分が心底イヤ・・・・・・。