黒川 博行『煙霞』

煙霞

煙霞

学校法人のワンマン理事長の隠し財産(金の延べ棒)を巡ってのコンゲームです。登場人物はさほど多くはないものの、全ての人物が腹に一物抱えてるといった感じで、裏切られたり出し抜かれたり、誰が誰とつるみ誰が勝ち残るのか最後まで展開が読めませんでした。主人公の二人は芸術系の教師と黒川作品では珍しい設定で、カタギ・・・とは言い切れないもののいわゆるヤがつく人は主要人物の中には出てこないのですが、それでも相変わらずの黒川節だし、二人の女性のすごいことといったらもう平伏するしかないって感じ。面白かったです。