
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/10/15
- メディア: 単行本
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伊坂さんが描く“悪”の質が変わってきた気がする。“どうしようもない悪ってものがこの世にはあるんだよ”の“どうしようもない”の部分が。あと仙台から出て国がどうとかって話は私(の伊坂さんキャパシティ的)にとっては大きすぎます。このところ伊坂さんが作中に取り込んでる『監視』ひとつとっても、隣の席や部屋の人に監視されてるんだったらそれはものすごくいやだけど、国が国民を監視するならしたらいいよ、いい気持ちはしないけど監視されて困るようなことする勇気もないしね・・・と思ってしまう。「勇気はあるか?」と聞かれたらそれがどんなことであれ「ないです!」と即答するのが私です。社会の末端、歯車中の歯車だし、部品としてなにも考えずに生きていけるのであればそれもまたいいんじゃないの?とか思いがちだし。私みたいな人間が日本をダメにするんですよね・・・。そうか。これがあんまり面白くなかったのは伊坂さんの成長に私の成長が追いついてないことが原因かもしれないな。でも“世界中をどうにかするだなんて無理だからせめて自分のできる範囲で、身近なところだけは草むしりしておこう”ってのには頷けます。でも私のできる範囲はとても狭い・・・。