『台風14号 もんしろ』@東京芸術劇場 小ホール

初回公演を含め何公演か見たのですが、同じくデジハリプロデュースだったロスト・デイズと比べると舞台そのものの変化に乏しい舞台だったかなぁという印象です。見方を変えれば安定してたってことなのだけど、ロスト・デイズの全員一丸となって成長していく様をみることができた時間と比べると“熱”が足りなかったかなーと思った。舞台の内容や質の話ではなく気持ちの問題でね。あとなかなかチケットが捌ききれなかった舞台を支えた自負がある観客の意識も含めて。まぁプロデュースは同じとは言えスタッフは違うんで比較しても意味はないのですが。


で、これは舞台の感想とはちょっと違うのですが、とても気になったので隠さずに書いておこうと思います。誰かの目に留まるかもしれないし。複数回入ったうちの2公演はいわゆる関係者席の側だったのですが、業界人っぽい男性1人になかなか綺麗でスタイルのいい女性3人連れだとかメンツや雰囲気的に多分関係者絡みだとは思うんだけど、その中に頭の上でデカイお団子作ってる人が結構いて腹立たしかったわ。舞台上で座り込むことが結構ある舞台だから角度に寄ってはお団子に被さって見えないキャストとかいるわけ。それがお目当てだったりするとほんと団子むしりとってやりたくなったもん。客だとしても腹立たしいけどそれでも客は金払ってるわけでさ、関係者だったら金払ってる客に迷惑かけないよう最低限のマナーぐらい守れよと思ったわ。最近観劇経験が少ない子が増えてきたんだか(それはそれでいいことだと思うけど)、それともわたしの(見たい舞台の)嗜好が変わってきたせいなのか分かりませんが、ヘアスタイルもそうだしバカでかい荷物持ってくるのもそうだし、舞台中にペラペラ喋ったり着信音は鳴らさなくても携帯の電源を切らずにいるから着信ランプがチカチカしてたり液晶が光ったりと、観劇マナーの低下が気になります。もちろん1人1人の心がけが一番重要ではあるけど、こういうのって知らない子はほんっとに知らなかったりするらしいんで、オタ舞台に限らずこういう場が増えてるんだから主催者側は面倒でも厳しく注意するとか何らかの対応を取るべき時期に来てるんじゃないかなぁと思います。できるだけ気持ちよく舞台に集中したいんで。


以下は軽く内容に触れてますが、ほぼお目当てキャストについての感想です↓↓↓


マイ楽は土曜日(26日)公演だったのですが、2日経った今ももんしろソングが離れませんw。なんかちょっとイヤだw。
出演者が男性だけでほぼ大学生役だったロスト・デイズが爽やかな青春コメディだとすると、もんしろは半分近くいる女性キャストを生かして男女の情愛がくんずほぐれつする大人のブラックコメディという感じでした。京都から東京に向かうバスが台風で立ち往生し、水門が開かれたため押し寄せる水から逃れるためにバスの屋根の上に避難して救助を待つその一晩を描き、何組かの客たちは当然見ず知らずなわけで、時には協力しあい時には言い争いう中でそれぞれが抱える秘密や関係が明かされていく・・・という物語。
キャストは全員最初から最後までずっと出ずっぱりなのですが、ちょっと単調だったかなぁ。台風の最中の屋根の上ってシチュエーションは面白いと思うんだけど、ずーっと舞台上のとても狭い範囲で10人(途中から11人)が喧々囂々してるってだけで1人1人(1組ごと)のエピソードはさほど驚きがあるわけでもなく、一つ解決するとまた一つ問題がってパターン化した展開も飽きるし、それぞれの動きや顔芸やセリフの言い回しで誤魔化されたような感じ。
ダメ出しばっかだけどじゃああんた何で複数回入ったの・・・・・・?と思うでしょう??それはねー、滝と元気がとても良かったからです!!(満面の笑みでw)。滝とは滝口幸弘くんで元気とは大河元気くんね、念のため。
元気は当初は売れない役者って設定だったと記憶してるのですがいつの間にかDJ役に変わってて、元気がDJ・・・・・・!?って怖いものみたさ半分心配半分だったのですが、ニット帽を目深に被ってるんで表情が見えにくいのがオタとしては物足りないところではあるものの役としてはこれまで見た舞台の元気の中で一番好きだわ。元気の役(DJ善郎)は先輩に頼まれてDJするために東京だったかな?に向かってて1人でバスに乗車したという設定なんで人間関係としてはまっさらな状態なのね。率先して喋るタイプでもないようで、発言の回数的には少ないわけですよ。でも口を開いたら全てが見所見せ所って感じで、あの元気がチェキラッチョ口調で「まじパねえっす」とか言うのよwww。怖い話しようよ!→怖いの嫌いだから嫌だよ→誰かなんか面白い話してよ→みんなが元気をじっと見る→「俺っすか!?・・・しますします!面白い話するッス」→ノリノリで下ネタになりそうな“面白い話”をする元気→オチはめちゃめちゃ怖い話だったあああああ!!!!! とかね、疲労が溜まり空気はギスギスする中勃発した争いが元気の一言(ってか元気の事情)で沈静化したり、バスが流されてることに気付き木にバスを結びつけようとするんだけど流れが速い水の中に入って誰がその役目を担うのか→元気「俺が行くッス」とかね、まぁ元気は外人女子(リサ)の色香に釣られて(騙されて)のことなんだけどw、無事戻ってきた元気に女子が全員「素敵(はぁと)」ってなって女子全員に団子状態で抱きつかれる元気wwwとかね、そんで結局リサのハートをゲットして抱きあうわ頬くっ付けあうわ手握り合うわとめちゃめちゃおいしいじゃねーか、元気のくせに!!!って感じなのです。間違いなく一番カッコイイ役。
で、元気のおいしいとは別の意味でおいしいのが滝の役ねw。これはほんっとにみんなに見てもらいたい気持ちでいっぱいなんだけど、滝はとある私立大学の某サークルの部長役で、基本リーダー気質なのね。最初の15分ぐらいはバスの中でずっと腕組んで寝てるんで、ちょっとこのまま滝が寝っぱなしだったらどうしよう・・・ってそんなわけないんだけどw本気で心配し始めたところでバスの不具合をテキパキとチェックする機械科学生の滝きたわあああああああああああああああ><でまず1キュンw。同じサークルの仲間である桐山と阿吽の呼吸で対応しようとするんだけど、正直桐山目に入りませんw。で、屋根の上に登るとおもむろに仕切り出す滝口さんは、めちゃめちゃさわやかウザイですw。言葉に力はあるような気がするんだけど肝心なところで何もできない系なのw。あと実はなにげに心が小っちゃい。なんかあるとスネて落ち込んで背中向けて膝抱えて体育座りする姿に2キュンw。そうそう、どっかに出てるかもしれないんだけど滝の衣装が微妙でさぁ、なんか赤と白の格子柄のポロシャツに黒のパンツなんだけど、まじダッサイのねw。でもそれがあのウザ爽やかな男には似合ってんのよw。
序盤は仕切り屋さんだけあってかなり発言するんだけど、つまんないことで桐山と言い争いになったあたりからグッと影が薄くなるのね。なんでだろう・・・と思ってたら最後にすっごいのが待ってたよw。滝と桐山にブリミュでルキアさんを演じた佐藤美貴ちゃんの三人が同じサークル仲間なんだけど、このサークルって男女交際禁止なのね。なんだけど、前日に桐山がサトミキに告白して一応OK貰ったわけですよ。桐山がサトミキにゾッコンで、桐山としてはちゃんとしたOKというか「好き」って言葉を貰いたいわけですよ。でもサトミキは煮え切らない・・・。何故かと言うと、サトミキは本当は滝のことが好きだから。でもサークル内男女交際禁止を公言して憚らない部長に気持ちを伝えるわけにはいかない・・・それなのに滝はサトミキに向かって「好きなやついんのか!?誰だよ言ってみろよ!」って聞いたりするのね。それを見た初対面の着物染め師夫妻(中井出さんと森若さん)に「あの男、鈍感だな」って呆れ笑いされるほど明らかなのに気付かないの。そんな微妙な三角関係なのですが、いざもうダメだ助からない俺たち死ぬんだ・・・ってなった時に、まず桐山がサトミキをぎゅっと抱きしめる→サトミキ拒絶→サトミキ「わたしが好きなのは・・・この人なの」と滝を指す→桐山ショック→告白された滝は「俺が好きなのは・・・・・・」→桐山をぎゅっと抱きしめ「お前なんだ!!」→えええええええええええ!?というある意味予想通りの腐展開が待ち受けているのですwwwww。多分そんなことだろうなぁとは思ったけどさぁ、告白した後の滝がいきなりカマ口調になるのとかおかしいだろwwwww。ホモじゃなくておカマかよとw。しかもサトミキ指差して「これからはわたしたちライバルね!」と宣戦布告wwwww。で、そんな滝を見たサトミキは100年の恋もいっぺんに醒めるわってな勢いで桐山に「やっぱつきあおっか」と言って結果として滝はフラレる形になってバスの運転手さんに慰められるというすごいオチw。中盤以降滝が消えたのもちゃんとこの伏線だったわけだし、勢いだけの舞台かと思いきやちゃんと考えられてんだなーとw。これは滝オタとしてありがとうございますとお中元渡さねば!!
真吾ちゃん(中川真吾くん)は不倫カップルの女(渋谷亜希さん)のストーカー男役なのですが、物語も半分ぐらい過ぎたところでいきなり登場する役なのね。わたし真吾ちゃんも目当てのはずなのに、実は出番がくるまで真吾ちゃんの存在を忘れてましたー><。自分でも驚いたわw。ストーキング対象の女を追いかけまわすのが日常だからリュックの中には常に食料常備の真吾ちゃんなもんで、ストーカー男だと分かっていながら空腹には勝てず土下座するもんしろの乗客(あ、今更ですが「もんしろ」と言うのはバスの名前のことです)の皆さんに対して、ボウズ頭にねずみ色のスーツ着て赤いリュック背負って赤い靴下履いて好き勝手する真吾ちゃんはそれはそれは楽しそうで可愛かったんだけど、完璧出オチw。しかも最後には付き合ってる男が妻帯者だと発覚しキレてその場で別れたとは言えその女の人と手取り合って寄り添ってたんだけどなにこの吊り橋症候群w(それは多分元気と外人女子もだ)。真吾ちゃんはキャストにも可愛がられてるというかイジられてたようで、カテコで両袖から出てくるんだけど真吾ちゃんだけ1人揚々と出てきて後に誰1人続かず、舞台の真ん中でそのことに気付いてオロオロする真吾ちゃんの回とかあってほんと可愛かったw。舞台の上の真吾ちゃんはほんと大好き。
桐山はまぁ桐山だなってことでw。


誰が主役というわけではなく全員が主役、全員に満遍なく見せ場を与える舞台だったので、ずっと出ずっぱりとはいえども消えてる(傍観者として位置してる)時間が少なからずあったんで、そういう意味では期待してたようなものとは違ったと言えると思う。でもスポット当たってない間もコソコソ話をしてたり手を動かしてみたりと細かい芝居をしてたりするんで、一度だとそこらへん見逃しただろうしやっぱり回数入ってよかったなと思いました。なんだかんだ言って滝のカミングアウトシーンは何度見ても衝撃と爆笑だったしwww。
わたしが見た回にまんぺが来てたんだけど(ちんぺとジュッタも来てた)、席が近くで、滝カミングアウトにめちゃめちゃ爆笑するまんぺにハゥ〜〜〜〜〜〜〜ン(はぁと)てなりましたw。
あとあとロスト・デイズに出てたわたしの一押し植原タッくんともすれ違ったんだけどめちゃめちゃめちゃめちゃカッコよくてまじやべえ・・・なんていいしゃくれ・・・と念仏のように呟いたわw。