[OTOKOMAE][E]『D-BOYS STAGE Vol.2 ラストゲーム』@青山劇場

観劇日から数日たってしまったもんでもはや感じた気持ちすら薄れつつありぼんやりとした感想ですが、とりあえず記しておきます。


ネタバレしてます↓


まず城田の弾き語りから始まることにびっくりw。え?フルコーラスなの!?って思わず目だけ動かして辺りを窺ったわw。
その後早稲田・慶應両校生徒がわらわら出てきて歌い踊るんだけど、みんなユニフォーム姿+キャップ着用だから最初は誰が誰だか分からず軽くパニックになりました。あ、中村(昌)以外ね。さすがにあれは分かるw。
物語は早稲田の目線で進みます。役柄は、頼れるキャプテン・ズッキー、男気溢れる熱血タイプの副キャプテン・加治、気は優しくて力持ち、そしてすごい予知能力の持ち主・中村(昌)、早稲田に入るのが夢だったと言い加治に憧れてる在日韓国人・トモ兄貴、肺病持ちで故郷に手も握ったことがない恋人がいるエース・三上、空気・牧田、そして慶應との試合で打球が肩を直撃し選手生命を絶たれながらもマネージャーとして辣腕を振るいチームを率いる荒木といった感じ。慶應はキャプテンと副キャプテンなのかなぁ?慶應の代表として荒木兄に頭を下げにくる(多分)キャプテンが遠藤くんとすんじのWキャスト、荒木に打球をぶつけてしまったことをずっと謝りたいと思い続けている男をちゃんなかと瀬戸がWキャスト。ズッキーの幼馴染であり共に上京した早稲田の練成部部長が和田、同じく幼馴染で故郷のなまりをあえて抜かない生真面目な副部長?が真吾ちゃん。城田は現代で自殺しようとしているハンドルネーム・ワセダとかつては野球を愛していたが戦争で足を失いアメリカが発祥である野球を嫌いになった新聞記者で荒木の兄の二役、柳は自殺サイトを通じてワセダと知り合い共に死ぬためワセダ祖父の別荘を訪れたハンドルネーム・ケイオー役。うっぽんは城田の後輩の新米新聞記者役で、足立は早稲田の応援団長。・・・だれか忘れてないよな・・・?
共に自殺しようと集まったワセダとケイオーだが、ケイオーの飄々としたペースに巻き込まれたワセダは別荘の持ち主であった祖父が書いた日記(だったと思う)を見つけ、読み始める。そこに書かれていたのは、学徒動員が決定し戦場へ送られることになった学生たちが最後の早慶戦を行うまでの軌跡だった。やりたいこともなく楽しいこともない、未来になんの希望ももてないと死を決意したワセダとケイオーであったが、読み進めるうちに生きることの素晴らしさを思い出す。とまぁそんな感じ。
テーマとしては「残された時間に何をするか、何をしたいと願うか」ということかな。そしてキーワードは「戦場で会おう」。戦時中の若者たちは戦場へ赴く=死 が目の前にあり、現代の若者二人は自ら死を選ぼうとしている。状況は全く違えど死を前にした若者たち。残された時間に生きた証、青春の証を残そうと奔走するかつての若者たちの姿に触れ、残すべき“証”が見つからない現代の若者は“これから”それを手に入れるために生き続ける。残された時間はまだたっぷりあるのだから。カッコよく書くとそういうことかな、と思うわけですが、テーマとしては重すぎたかなという印象です。実話だけあってストーリーそのものは軸がしっかりしていてよく整理されてると思うし、Dボメンバーもみんな一生懸命演じていたとは思うのだけど、正直これをD-BOYSという若手“イケメン”俳優集団がやる意味あるのかなぁと。自ら“イケメン”と名乗ってるわけじゃないけど、劇場に来た客はほとんどがいわゆるオタだろうし、好きな理由は様々であれ気持ちとしては基本 内容<キャスト だろう。やっぱり顔見てナンボ、舞台上でキラキラしてるメンバーをみてナンボなわけですよ。そういう意味では期待してたものと違った。Dボ(というよりナベプロ)としては今回は“俳優集団”に重きを置いてというか、俳優としてのD-BOYSを見せるコンセプトだったのかな?とも思うんだけど、だとしたらこの題材は難しすぎると思う。メインの客層である10代後半から20代前半の若い世代に伝えるって意味ではアリかもしれないけどね、本当の意味で伝えるには演じる側が相当の想いを持ってなきゃ無理だと思うのね。こういう題材に関しては。Dボメンバー、特に荒木・鈴木・加治の三本柱(この舞台のね)あたりは自分なりに咀嚼してそれを演技にフィードバックしてたとは思うけど、それでもやっぱり限界があると思う。これからの日本を担う世代がこういう舞台を演じることに観ることに意義がある、そういう考え方もできるだろうけど、わたしはそれをDボを通じて知りたいとは思わないんだよなぁ。具体的に案が出せるわけではないけど、俳優集団としてのDボを見せることができて尚且つオタも喜ぶ舞台になるべくそれ相応の題材があったんじゃないかなーと思った。
ていうかね、あれが何を意図してのことなのか、当時の若者はこんな厳しい訓練、辛い思いをしてもなお夢を追っていたり国を思っていたんだよということを描きたかったのかはたまたオタ向けサービスだったのかのか悩むところなんだけど、廃部勧告を無視するズッキーたち野球部に対して和田・真吾ちゃんの練成部が負けたら廃部勧告を受け入れろと団体ガチンコ勝負を挑むわけですよ。その勝負とは10キロ(だったかな・・・もっとだったかも・・・)の背嚢を背負い銃を持って何十キロかこれもよくわかんなかったんだけどとにかく結構な距離を走破すること。ただし各部員全員で、1人でも途中で脱落したらその時点で失格というもの。で、まずはその準備運動と称して匍匐前進だのスクワットダッシュだのマット運動だのさせられるのね。これがまじで謎。どう見ても公開トレーニングにしか見えません。しかもその後のマラソンシーン(ひたすら舞台上でランニングする演出)もあわせるとかなり長い時間やらされるわけですよ。みんなかなりへばってるし、牧田とか本気で吐きそうな顔してるのね・・・兄貴も眉間に皺よりっぱなしだし。これを見て萌えろと・・・・・・?。精神的にキツイ舞台だってのに肉体的にもわざわざキツくする必要が果たしてあったのか・・・ほんと謎だわ。しかもね、楽はそうでもなかったんだけどその前日のズッキーの喉が痛々しい状態でね、そんなズッキーが必死に大声で掛け声かけるわけですよ・・・見てて辛かった。オタとして拷問とも言っていいほどの時間だった。これが絶対に必要な演出であったなら納得だけど、わたしにはそうは思えなかった。友達も言ってたんだけど、このシーンにこれほどの時間を割かずに後半の最後の早慶戦をもっとガッツリ見せてほしかったなぁと。着地点というか、後味は決して悪くなく、むしろ希望すら感じられるエンディングだったんで全体を通してみれば悪くはなかったんだけど、構成としてはうーん・・・・・・という感じ。この題材に挑戦した意気込みは買うけどね。あと、メンバーそれぞれしっかりとした性格付けや背景付けは為されてたし、見所もそれぞれ与えられていたので(牧田以外・・・)、その点に関しては満足です。

というわけで各キャストの感想を。
主役の荒木はもはや理央さまの面影ゼロ。髪切ってガクラン着てると若く見えることにびっくり。元々はエースだったのかなぁ?怪我が原因で野球をプレイできなくなって一番辛いのは自分だと思うんだけど、そんな想いは微塵も見せず卓越した交渉能力を生かして野球部の為に奔走する精神的支柱というめちゃくちゃカッコイイ役をサラッと演じてました。坊ちゃんっぽいなかにチラリと覗く腹黒さもまたよしw。あと意識してなのか本来持ってるものなのか分からないけど、荒木のお辞儀というか頭下げる姿がとても綺麗だと思った。試合の許可を得られず「みんなスマン」って謝ったりとか結構頭下げるシーンがあるんだけど、腰をきっちり90度に折って背筋がまっすぐなお辞儀なの。きっと昔の人ってこれを当たり前にやってたんだろうからもしかするとそこらへんも考えてのことかもしれないなぁ。

ズッキーは前にもちょろっと書きましたが、喉が酷いことになっててかわいそうだった。もともと声質的にいいとは言えないし、ナベプロのことだからちゃんとした舞台発声学ばせてもいないだろうし、ほんと見てて辛かった。本人が一番キツかっただろうなぁ。キャプテンだから率先して声出さなきゃいけないからねぇ。でも逆にその痛々しい声が悲痛の叫びというか、あの時代の若者がもつ刹那感だったり無念さ?そういうものを感じさせてくれなくもなかったんで、うーん、わたしはズキオタなんでちょっとなんともいえない感じなんだけど、そういうことで。よかったところは学徒動員が決まり野球部は解散を余儀なくされた後、残された時間をどう過ごすかという話をするシーンの庭に力なく座ってる姿。心の中でいろんな想いが葛藤してるのが伝わってくる姿だったと思う。あ、そうだ!ズッキーは千秋楽で誰だっけなー?加治?そこらへんに思いっきりボール投げつけてすっごいヤンチャ顔でテヘヘって笑ったのがキャワだったわ!

逆に真吾ちゃんの発声は素晴らしかったと思う。真吾ちゃんもズッキーと同じく叫ぶ系の演技だったのに、こっちは全く潰れてないって言っていいほどだったもん。やっぱ舞台経験の差が出たなーと。真吾ちゃんの役は一番かわいそうというか、野球部に対して憎まれ口叩きまくってさっさと死んじゃう役なんだけど、鬱憤溜まってるんだかなんだか知らんけどカテコでは誰よりもノリノリで、ちょwww真吾ちゃん落ち着いてwwwと思いました。可愛いw。

一番美味しい役だったのは中村(昌)かな。棒なんだけどそれがいい感じで朴訥さになってて、公開トレーニングシーンとかほんと1人どんくさいってか動きがのっそりしてるんだけどw、それもまた気は優しくて力持ちっぽくていいかと。重い題材の中、柳とともに笑いを担ってたし、中村(昌)の扱いは大抜擢だと思った。

トモ兄貴と三上は安定してるなと思いました。感情の切り替えがはっきり分かる。三上は色の白さと淡白な顔が役に合ってたと思うし、逆にトモ兄貴は憧れの加治に人種差別的な発言されてもめげずに仲間を、野球を一途に愛す健気な男という兄貴のキャラとは真逆に近い役だったんだけど、男らしさ全開で骨太に演じてたと思う。トモ兄貴→加治の関係性はとてもよかったわ!(腐的な意味で・・・)。あと三上が貰ったラブレターをみんなでキャッキャからかうシーンが終わってみるとどれほど大切な時間だったか・・・ということが見終わって初めて分かった。

かわいそうだったのは牧田。↑で簡単な役柄を書いたけど、牧田に関しては空気としか言い様がないんだよなぁ。公開トレーニングシーンでまじでへたばってたことしか覚えてないや。あとセリフ回しがところどころ桃城だったw。

和田も実はあんまり覚えてないんだよなぁ。出番は結構あったんだけど。公開トレーニングでの身軽さはさすがw。あと生きて戻ってこれたら野球部に入れてくれるか?ってズッキーに聞くとこはよかった。あとあと軍服なのかなぁ?それが結構似合ってたわ。

前回主役(だよな?)の加治は今回は一歩引いて縁の下の力持ち的なポジションでした。加治は安定してるから見ててラク。ていうか、わたし一番加治の役に感情移入というか、行動や考えに納得できるかなぁと思った。国を挙げて戦ってる最中だってのに野球野球言ってていいのか?って見ててわたしも思ったから。あと、新聞記者である城田に早慶戦の記事を書いてくれとみんなで土下座して頼むシーンの加治は素晴らしかった。ここは加治に泣かされたわ・・・。セリフの内容ももちろんなんだけど、城田を見上げる目と言葉の向こうに背負ってるものがちゃんと見えた。このセリフで野球をやめて戦うべきなんじゃないかと言った想いがいかほどのものだったか・・・って胸をえぐるんだよね。あと最後にそれぞれのその後が城田のナレーション(祖父の書いたものを読むという形で)で明かされるんだけど、加治の演じた人はズキアラに遺書を書いて特攻して死んだとか言うのよ・・・・・・最期までカッコイイっつの。前回のDステ(DVD)の感想でも書いた記憶があるんだけど、加治はどんどん舞台に出して育てるべきだと思う。

足立は・・・・・・・・・役には全くあってないんだけど、それがよかったか悪かったか分かれるとこかなぁと思った。わたしは悪かったと思った方。というより、この役熊井で見たかったよと・・・。扱いとしてはいじられキャラというかコミカルな役なんだけど、悪い意味で滑稽に見えたんだよなぁ。まぁこれはわたしが元々足立にあんまりいい印象を持ってないせいかもしれないけど。

城田は弾き語りあるわ2役だわ卒業公演に相応しい活躍っぷりでございました。確かにルーキーズやってこれってのはきつかったと思う。褒めてはやらんけどw。あ、そうだ。ツンデレ兄貴は結局早慶戦の記事を書き弟の元へやってくるんだけどね、その時両校メンバーに「みんな・・・・・・健闘を祈る」って言うんだけど、そこ「みんな」って言ったあと「油断せずに行こう」って言うかと思ったw。だってズキアラ加治足立、トモに牧田がいるんだぜ!まぁ後半の二人は違うけど、思わず甦る栄光の二代目w。

柳とうっぽんは前に書いたとおり二人とも激キャワでございました。柳はこの舞台の癒し(byゆなちゃん)。てかね、ラストシーンは出演者全員で歌って踊る(ってかまたトレーニング風ダンスw)んだけど、そこ柳もばっちり参加してるのね。そんでもりもり腕立て伏せしたり寝転がって腿上げしてんのよ、柳が。なんかね、すごい感動した。ある意味この舞台で一番胸が熱くなった。すごいよ柳。

日替わりは遠藤・すんじチームの役がよかったかなぁ。早稲田の面々とともに城田に土下座するんだけどね、そこで渾身の涙目演技するわけですよ。特にすんじはビビッた。ルーキーズ効果かわかりませんが、熱いのよ、演技がw。黒髪(ヅラ)は新鮮だけととても残念w。遠藤くんはそれっぽいw。存在が昭和っぽいから佇まいに一番リアリティがあったw。

瀬戸・ちゃんなかの役は荒木にすまなかった!と頭下げるとこが見せ場なんだけど、謝り終えたあと「よっしゃああああああああああああああ!」って気合いれて素振りするシーンがあるのね。ちゃんなかの「よっしゃあ」はほんとにすっきりしたというかようやく謝ることができてほんとに良かったって気持ちが伝わってきて思わず顔がほころびました。瀬戸様は・・・・・・すんじと同じくヅラが酷かったですw。

誰か忘れてないかな・・・。城田じゃないけど人数多すぎて大変だよD-BOYS


来年Dステ3をやることが決まったそうです。個別仕事がいっぱいあるのはいいことだけど、日程短くてもいいから全員がガッツリ参加できる舞台がみたいなと思います。あとそろそろ違う演出家で見たいなと。


ズッキーの声が大阪までなんとか保ちますように。あとちょっと、みんな頑張れ。