『のだめカンタービレinヨーロッパ』第二夜

んんんん〜、二夜は正直どうかなぁ・・・って出来だわ。わたしが原作好きだからかもしれないけど、今回は全体的に描きこみが浅かった気がする。コンセルに入学したものの授業に全く付いていけず自分を誘ってくれたヨーダにも否定するようなことを言われた上に、千秋先輩はデビュー公演で自分と同年代の若い女のピアニストと共演し、そのことを自分に教えてくれなかったとどん底まで落ち込み焦るのだめってのはしっかり描けてたと思う。ピアノの前でボロボロ涙をこぼすのだめの気持ちは痛いほど伝わってきたし。でもその後の立ち直りの描き方が物足りなかった。なんかいつのまにか立ち直ってたって感じだったんだけど。裏軒でのパーティとか峰くんと清良のやりとりをもっと削って(オールカットでも構わないぐらいだと思う)、せっかくリュカを出したんだから、廊下をホワイトボードに乗って疾走するのだめとリュカとか、リュカ→のだめへの片思いの気持ちとか、リュカの劇にロバとして参加するくろきんとのだめとか!!!、リュカとの絡みをちゃんと描けばよかったのに。ロバのお礼にとリュカの家の晩餐会(なんだっけ?鶏を丸ごと焼くあの料理・・・)に強引にお呼ばれするくろきんが見たかったのにー。その代わりと言ってはなんですが、フランクとリュカの関係性はいい改変だと思ったけど。
そうなのよっ!くろきんカンタービレじゃなかったってのが一番の理由なのよっ。フランス人に馴染めず孤独を味わうくろきんの成長こそがパリ編の醍醐味だってのに、くろきんの描きこみが甘すぎる!!舞台やってて撮影に参加できる期間が短かったってのはあるとしても、いくらなんでもあれじゃ「僕はやるよ」って「オーボエ協奏曲やりませんか?」ってくろきんが“自分から”フランス人の中に入ってくことの勇気と成長が見て取れないと思うのよ!!ていうかなんで「ユンロンて誰だ・・・?」が「黒木くん・・・?」に替わってんだよおおおおおおおおおお!!!!!セインとか山形弁の人とかジローラモとか(後ろ二人はイメージ違いすぎにも程がある)(イメージ違いすぎるといえば猫背椿さんとはいりさんもだけどこっちは面白かったからヨシw)(ていうか城主のお馬さんパッカパッカやらないなんて・・・)日本語喋れるエセ外国をあんだけ用意できるんだったら日本人と見た目変わらないユンロンなんていくらでも用意できるだろうに。むしろ日本人でよかったのに。だってユンロンを完璧にエスコートする千秋様が見たいんだもの・・・w。ユンロンと言えば山田優の出番をあれ以上増やすととんでもないことになるんで孫ルイはあの程度で良かったとは言え、裏軒での集まりにルイが参加してるのも微妙だったな。ルイの「同年代の友人がほとんどいないからこういうのすごく楽しい」ってのを千秋が分かって連れてきたってことなのかなーって脳内保管したけど、天才と称されるルイの孤独や悩みまではさすがに描ききれなかったせいでなんかすごく唐突だった。
ていうか千秋様が演奏中にルイと目をあわせまくりなのが気になったw。もっと気になったのは千秋様指揮するたびに感極まりすぎwww。わたしの中の千秋様は感動屋さんだけどそれを表に出すのは嫌う人なもんで、指揮のたびに目赤くして今にも泣きそうになってるのはどうかとw。タマキングの集大成的なもんだから感動しちゃうのは分かるし、実際胸を打たれるというか、みてて胸が熱くなるような高揚感みたいなものは感じちゃったんだけど、千秋様ではないよなとw。千秋様と言えば、原作のお城の植え込みの影でのキッスシーンが思いっきりマジのキスシーンになっててワロタw。場所は違ったけどその前のじゃれあいの流れが原作通りで感動したってのに、何でそんな人気のない本気シチュエーションで接吻しちゃってんのさっ!喧嘩の流れでグイっと手を引き寄せてやるんだったらまだしもわざわざあの場所まで移動するだなんて千秋やる気マンマンじゃねーかw。


ついに背中が登場した松田さんとかロランを日本人に演じさせたこととか、千秋様と父親との関係性とかくろきんとターニャの関係性とか描く要素はまだもうちょっとあるし、何よりも千秋とのだめのコンチェルトが残ってるし(これは原作次第だろうけど)続編への含みを持たせた感がある終わり方だとは思ったけど、うーん、正直続編はどうかなーという気がする。松田さんエピは是非とも見たいとは思うけど、タマキングの美貌のピークは確実に去ってるからねぇ・・・。

続編があるにしろないにしろ、のだめに関わった全ての人にお疲れ様でした、素晴らしい時間をありがとう!と心から言いたいです。漫画を安易にドラマ化するのが当たり前になりつつある中、のだめという難しい題材をここまで完璧に映像化してくれたことで、どうせやるならこれぐらいやってみろよって、やれるはずだろう!のだめがやれたんだからって、ドラマに対する見る側の意識を高めるきっかけというか、いいお手本になったと思う。ほんとうにお疲れ様でした。