『座頭市』@新宿コマ劇場

ありとあらゆるところから酷い酷い主役まじ酷いという評判がその気はなくとも耳に入ってまいりまして、やっべうっすら行きたくねえ・・・このチケット代があれば青年館にもう一度行けるのにいいいい!とモシャモシャした気持ちを抱えつつ千秋楽を前から7列目どセンターで見てまいりました。席ノリノリやん!言うなw。


大した内容じゃないんで(キャー><)あんまり気にしなくてもいいと思いますが、軽く内容に触れてます。



座頭市という物語にほとんど興味がないのにチケットとった目的といえばやはり生哀川翔ですよ。・・・・・・表向きは。どんだけ素敵オーラがあるんだろうとそこはワクワクしてたんだけど、正直微妙。翔アニキが背中丸めながらヨチヨチあるく姿とかやっぱ見たくないってかカッコよくないわけですよ。そんでうつむき気味にあの声でボソボソ喋るわけですよ。何言ってるか聞き取れない箇所が何箇所もあるわけですよ。そもそも座頭の市という人物は陽性の人間ではないわけで、背中丸めてボソボソ喋るような人物造詣になるのは分かる。分かった上で、座頭市という素材と哀川翔というスターはお互いに不向きだったと思う。座頭市をやるんだったら別の役者でやってほしかったし、哀川翔の初舞台ならばファンが求めるカッコいい翔アニキ像を見せられる題材にすればよかったのにと思う。これが映像であればカッコよくなりそうな気はするの。映像ならば翔アニキのあの声も口の端に浮かべた自嘲気味の笑みもむしろセクシーな座頭市を作る要素になるだろうし、闇のオーラみたいなもんも感じられると思う。実際、幕が開いた直後に舞台が真っ暗になって翔さんのナレーションが流れるんだけど、それはものっそいカッコいいわけですよ。だからねー、映像で輝く人と舞台で輝く人っているんだよなーって。翔さんは確実に映像で輝く、それも尋常でないレベルで輝く人なんだよ。自分でもそれに気付いただろうからきっともう舞台に立つことはないと思うんで、翔アニキの貴重な舞台を見れてラッキーだったと思うことにする。
で、映像向きと言えばもう一人。三池監督も確実にそうだと思う。夜叉ヶ池の時も思ったけど、場面転換が致命的にヘタクソだと思う。ヘタクソって転換しすぎ。ワンシーンごとに暗転してセットガサゴソ動かしてんだもん。その都度集中がぶちぶち切れる。映像と違って舞台って言ってしまえば背景なんてなくったっていいわけで、そこに空間を想像させるのも演出家の腕だと思うだよな。あと今回気になったのは立ってるだけの役者が多いってこと。舞台上に5.6人いても会話してる二人以外はボーっとしてるだけなんだよな。ボーっとしてるのが意図してのことならばそれを汲み取れなかったわたしの鑑賞力不足ですけど、そうじゃなかったと思う・・・。キメシーンはカッコいいんですよ。1幕ラストの翔さんとエンケンさんが刀を交わすシーンとか、2幕ラストの赤い紙ふぶきの舞う中歩き去る翔さんとか。でもどこか映像的なんだよなぁ。
で、二人が表向きの目的だとすると、裏目的wはサダヲにエンケンさんに青山草太でございます。初舞台だってのにコマ劇場で12,000円という強気の会場に値段設定・・・これは哀川翔主演、哀川翔オンステージであるからこそ成り立つことで、当然客もそのつもりでいた(と思う)んだけど、幕が上がった直後からサダヲ劇場状態なんですけどwwwww。市に惚れて共に旅をする耳が不自由な琵琶弾き八(ハチ)を演じたんだけど、朧のキンタ(1幕時限定)を思い出させるような可愛いサダヲでして、それはそれで満足だったんだけどこの舞台もしサダヲが出てなかったらどうなってただろう・・・って本気で怖いわ。コマ劇ってステージがかなり横に広い(奥行きもあるけどこれはセットでどうとでもなる)んだけどサダヲがいなかったら文字通りスッカスカですよ!空間も密度も恐ろしいほどスカスカだったと思う。サダヲは女子(アバレイエロー)からも熊のような大男からも求められるwという両手に花状態で、おまけに三味線の弾き語り(一応)もあり!とめっさオイシイ。特に永澤俊矢さん演じる熊吉(これがでかくてカッコいい!)にバックからタマタマ揉まれるシーンとかありますからwwwwwサダヲオタは必見だと思う。
エンケンさんはそんなつもりではなかったのの結果的に婚約者を捨て死に追いやった上にその弟を泥酔状態で斬り殺した過去を持つ腐れ刀の竜役。黒い着物をだらしなく着て徳利片手にフラッフラしてる役なんだけど、すっごく色っぽかった。足をガバっと開いた殺陣もカッコよかったし、三池監督とエンケンさんはお互いのこと分かり合ってるんだろうなぁ(別に翔アニキを分かり合ってないとは言ってませんよw)。
草太はねー、奇抜な衣装着て奇抜なメイクして双子の兄(野村祐人さん)とともに賞金首の座頭市を追いかける役。アンガールズのジャンガジャンガ(だったっけ?もう忘れたw)みたいなポーズとって二人で空回りまくって、出たと思ったらエンケンさんに即殺されるのw。早っ!ビビッた、そして軽く泣いた。登場時間正味10分弱ぐらいなんだもの。わたし草太に12,000円払ったつもりなのに・・・。でもまぁ2幕に双子の双子の妹wwwとして再登場し、こっちもアッサリ殺されるんだけどw、2幕の方は死体状態で10分ぐらいステージ上にうつ伏せで転がってて、ケツを客席の方に向けてるもんだからふんどし姿の白くて綺麗なケツをガン見できたからいいやwwwww。わたしがあまりにも真剣に双眼鏡でケツ見てたからだと思うんだけど、見終わってサダヲオタ(始まる前にサダヲ話を熱くしてたから絶対間違いないと思う)の女の子に「あのー・・・双子役の人って誰ですか?」って恐る恐る聞かれたんだけどw。実はねー、途中寝たの。しかも3回も。ほんと失礼な話なんだけど、3回頭がガクン!てなったのね・・・。それがあまりにも酷かったからきっとこの人誰を見に来たんだろう・・・?って思ったんだよね・・・。とりあえずニッコリ笑って「青山草太だよ」って答えておきました。
あとあと里美八犬伝オタwな旅芸人一座の看板役者(陰間あがりの女形)の蘭丸役でRIKIYAが出てたんだけど、これが着物姿からやたらともうあと何センチかで下穿き丸見えってぐらい足を見せてくれまして、蘭丸も途中で殺されるんだけど、着物の裾はベロンとはだけて何故か胸も自分でガバっと開いて脱いでくれちゃって、つまりパンイチで腰に着物がぶら下がってる状態で大の字にぶっ倒れるという派手な死にっぷりを見せてくださいましてw、どこ向けサービスだよとw。俺かw。


カテコでまず翔さんを胴上げ、エンケンさんが三池監督を舞台に呼んで監督も胴上げしてたんだけど、その間中どうしていいか分からないらしく舞台後方でオロオロしてる草太バロスw。サダヲはニコニコしながら拍手してました。カテコ見てつくづく思ったんだけど、翔さんはほんとに『スター』なんだなぁって。千秋楽でたくさんの拍手を貰って、嬉しい気持ちや達成感、いろんな気持ちで胸がいっぱいになるのはわかります。実際目が潤んでたっぽかったし。ほんとに『俺最高!』でいっぱいというか、自分が注目を一心に浴びてるって何の疑いも持ってないっていうか、座長だってのに他のキャストに感謝するみたいな素振りをほっとんど見せなかったのがスゲーなと。一瞬キャストに拍手向けてたけど、エンケンさんやサダヲが必死で翔さんを立てて監督を呼び込んでるってのに、感極まって自分に拍手し続ける翔アニキは『スター』なんだなーって。初舞台とか座長とかそういうチマチマした縛りは翔アニキにとってなんの枷にもなってなかったんだろうなぁって、そんなことを思いました。悪口じゃないよ!