- 作者: 恒川光太郎
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2007/11
- メディア: 単行本
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3篇に共通するのは『閉じ込められる』ということ。時間、空間、心、それぞれ形は違えど閉じ込められる物語。最後の1篇はちょっと違うけど、表題作と2作目は日常からほんのちょっと外れただけで非日常の世界に迷い込んでしまう怖さ、薄ら寒さを感じました。そして、考えようによっては(人によっては)非日常の世界のほうが居心地のよさを感じるんじゃないか?という怖さも。最後の1篇は、異能であるが故の孤独、哀しみ、というのは想像するしかないけれど、人は他人と何かを共有できなければ生きていくのは辛いんだよなぁ・・・なんて思った。
相変わらず硬質な文章で、今の季節にはピッタリな本だと思います。