- 作者: 海堂尊
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2007/04/07
- メディア: 単行本
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チーム・バチスタの白鳥・田口シリーズ第3作。前作の「ナイチンゲールの沈黙」と同時刊行された「螺鈿迷宮」と作中の時間が繋がっていて、登場人物も一部重なっているので、完全にシリーズ客向けという感じです。ナイチンゲール〜と螺鈿〜はどちらもイマイチだったのですが、この作品と合わせて一つの物語なのだと考えれば全然アリだ(笑)。もともと救命救急のあの独特の空気というかドライな空間が好きなもんでかなりフィルターかかってるところはあると思いますが、白鳥があんまりでしゃばらないせいか(笑)白鳥・田口シリーズでこれが一番読みやすかったし面白かった。ていうか速水部長カッコよすぎです!!!これまでもちょろっと登場したことはありましたが、まさかこんなにも傲慢で強引で賢くて、そしてドラマティックな人だとは思いませんでした。速水部長のイメージなのか、文章もこれまで以上に過剰な装飾が目についたのですが、それもアリ!と思えてしまうほどのオトコマエっぷり(笑)。仇役の沼田も分かりやすい設定でなかなかの憎たらしっぷりかつ小物加減だし、これまたちょろっと登場してた島津先生も活躍するし、密かに気になってた黒崎教授もおいしいとこ場面があるし、恋愛模様もあるし、もはや医療モノとは言えない気はしますが、エンターテイメント性はバチスタより上だと思う。これをいきなり読む人はそういないとは思いますが、絶対ナイチンゲール〜は読んでからにしたほうがいいです。