柴田 よしき『銀の砂』

銀の砂

銀の砂

女流ベストセラー作家・豪徳寺ふじ子が持つ不思議な魅力にとり憑かれた男たち、長年ふじ子の秘書としてその側で過ごした佐古珠美もまた、強烈に惹かれている。今は売れない作家として一人立ちした珠美だが、ある日フリーライターと名乗る男が珠美の前に現れ、3年もの間行方不明になっている俳優の芝崎夕貴斗のことを聞いてきた。夕貴斗はかつて珠美の恋人であり、ふじ子に奪われた男だった。なぜ今更?終わらせたはずの関係が、過去が、女達を追いかけてくる。


久々に昼ドラのようなドロドロした物語を読みたいなと思い、それなら柴田よしきでしょとタイミング良く刊行されたこの本を手にとったわけですが、いやーマジで昼ドラ。思った以上に昼ドラ。共依存しあう二人の中年女流作家に翻弄される男達の図、まさに昼ドラですよ。そういうものを求めていたので楽しめたし満足出来たけど、一つタイミングがずれてたら溢れるメスの匂いにものすごく気持ち悪くなったと思う。
いいかげんいい歳なのですが、子供を産みたいと思ったことがこれまで一度もなく、今のところまだその気持ちは継続中な私としては、ふじ子という女は同じ女という生き物なのに、まったく別の生物の話を読んでいる気がした。