- 作者: 新井政彦
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2005/03/23
- メディア: 単行本
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非常に面白かったです。サイバーゴシックアクション小説ってな感じ。設定はそれほど新しいとは思わないけど、16世紀のパリやメディチ家の末裔ってのが物語に微妙な重厚感を与えてると思った。なんつって、無知なもんでそこらへんの歴史に関しては薄らぼんやりとした印象しかないわけですが・・・。
患者の脳内に入って、直接の原因=トラウマを排除なんし説得して治癒させるというめちゃくちゃ乱暴かつ原始的なトンデモ療法がまかりとおる世界(都合が悪くなったら現代に一瞬で戻れるし、ヘリでもマシンガンでもデータ化して持ち込むことが可能)だ、ということをすんなり受け入れられれば、ゲーム感覚で一気読みです。それまで雰囲気ある物語を作り上げてきたのに、思いっきり現実味というかリアリティ溢れる結末にしちゃってるところも好みでした。満足です。翻訳モノみたいな装丁に躊躇する人もいそうだけど、主人公は日本人だしすんなり読めますよ。