- 作者: 水原秀策
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2005/01/27
- メディア: 単行本
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ひねりゼロ。殺人とかトリックとか一切なし。恥ずかしくなるほどど真ん中なハードボイルド小説でした。とりあえず上手いな。デビュー作だとはとても思えない。物語自体は地味なんだけど、その分登場人物がしっかりしてるので、面白く読めました。
頭が良くてシニカルでストイックで、積極的に友好的な人間関係を育もうとしない主人公。主人公の前に突然現れた謎の知的美女。当然ムフフな関係に。人付き合いが苦手なくせに、協力してくれるいい仲間には恵まれていて、危機一髪!な目にあってもぎりぎりのところでセーフ。恐ろしく定番だ。巻末の選評で「昔こういうのっていっぱいあったんだけど、今はかえって新しいかもしれない」と大森望が書いてますが、私もそう思った。ストレート過ぎてかえって新鮮な感じがしました。
プロ野球界が舞台になってますが、野球に興味がなくても分からなくても、それなりに楽しめると思います。今後、良質なエンターテイメント作品をいっぱい書いてくれそうな予感。