- 作者: 秦建日子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2004/12/04
- メディア: 単行本
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わからーん!
私としては「鳴り物入り」とか「スーパールーキー」とかそういうイメージで手に取ったのですよ。だって、すごい沢山のドラマ脚本書いてるんですよ、この人。メインライターではなかったみたいですけど『HERO』とか書いてる人なんですよ。キム様が検事役だったやつ。オレンジブルゾンのやつ。
だからどうだってな話なんですけど、売れっ子脚本家がわざわざ「推理小説」なんてタイトルのものを出版しようってんだから、そりゃ面白いものなんだろうなーって構えるじゃないですか。が、しかし。よく分からなかった。何がやりたいのか、狙いどころが分からなかった。面白いかどうかと聞かれても、うーん?としか答えられない。2時間ドラマなんかで、キャスト見ただけで犯人役の見当が付いちゃうように、登場人物を見て、ちょこっと読み始めただけで犯人の目星はついちゃいます。もちろん勘だけど。で、この人が犯人だとすると動機はこれだろうなぁと思ったらその通りだし。タイトルに釣られて買うと、そっち畑の人は投げたくなるかもしれません。
ビジュアル的な描写が多くて、その分会話が妙に説明っぽい。物語の上では必要のない設定も多く、やっぱり脚本の人だなぁと思った。映像ならば効果的に思える小道具や行動も、小説だと、伏線にもなんにもならないような設定は邪魔なだけだと思う。これは読み手の記憶力と想像力の問題もあるだろうけど。物語を創り出すという作業は同じでも、質は違うんだな。
そのうちドラマ化されるかもしれないなぁ。その時は見ますよ。多分。