薬丸 岳『死命』

死命

死命

自らに残された余命が僅かだと知りずっと抑えていた欲望を開放し連続殺人犯となった男と、連続殺人犯を追うこれまた余命僅かの刑事の物語なのですが、気持ちは分かるが大人しく病院行けよとしか・・・。
描きたいことは犯人のドラマだったり刑事のドラマだったりという犯罪小説・警察小説というよりも、いざ死を目の前にした時に人は何を思い残された時間をどう過ごすのか、むしろそっちであり、そういう意味では二人の選択は尊重されて然るべきというか、それもまた一つの選択であるということなのでしょうが、それにしたって限度があるというかなんというか・・・ものの数十日でここまで悪化してしまうとか末期がんマジ怖い・・・。
しかしなぁ・・・残された高校生の息子とダンサー志望のフリーター娘はこの先どうするんだろうなぁ・・・。警察って共済とか結構がっちりやってそうではあるけれど。