石持 浅海『BG、あるいは死せるカイニス』

BG、あるいは死せるカイニス (ミステリ・フロンティア)

男性化候補の筆頭で、私の自慢の姉である優子さんが、天文部の合宿の夜、学校で殺された。しかもレイプされかけたような状態で。男が女をレイプするなんて、普通じゃ考えられないことなのに。そして続いて事件が起きる。捜査の過程で浮かびあがってきた「BG」という言葉。それは一体何を意味するのか？優子さんの秘密は？そして事件の真相は？

タイトルかっこいいな。
とりあえず、すごい設定ですわ。まず最初に閃いたのは何だったんだろう。BGという言葉か、人間がこんなふうに進化したらおもしろいなーみたいなことだったのか、それともロジックの一部？みたいなものだろうか。この設定でなければ成り立たない話だと思うけど、無理にこんな設定にするほど感心してしまうようなロジックでもないと思う。謎とされるものも、途中で引っかかった箇所がそのまんま真相に繋がっていて、こういうのが得意じゃない私でも分かっちゃいましたぐらいのレベルだし。そんなわけで、ミステリだと思って読むとちょっとガッカリするかもしれません。
でも、話の作りは丁寧だし、ちょっとひねったレズ小説として読めばよいかも。あと進化論に興味があったりする人も、面白く読めるのではないでしょうか。それはちょっといいすぎです。