渡辺 雄二『自殺遺伝子』

自殺遺伝子

自殺遺伝子

千葉県の農村地帯で原因不明の食中毒が発生した。その後も患者はどんどん増え続け、死者も出て東京へも広がった。この事件を取材するフリーラーターは、発生地点の側に産廃処理場があることに気付く。ダイオキシンで汚染された土壌を浄化するために散布された遺伝子組み換え微生物が原因なのか?遺伝子という神の領域を利用する人間へ、利己的遺伝子が逆襲を始めた。 とそんな感じ。200万部の大ベストセラー「買ってはいけない」の著者、初の小説デビュー作だそうです。全然わかんないんだけど、多分身近な話題・・・なんだろうな。ですよね?遺伝子組み換え食物とか聞いたことあるし。展開的にもっと怖いよーってなるのかと思ったら全然普通で、へーそうなんだーでおしまい。結局人間も遺伝子に支配されているわけで、人間なんて単なる遺伝子の乗り物なんだってことに絡めて、妊娠とか出産がもう一つの軸としてあるわけですが、別にいらなくない?とか思った。バイオベンチャーという素人には分かりにくい、未知の分野に挑むフリーライター。解明されない病原菌、増え続ける被害者、立ちはだかる行政の壁。主人公は真実にたどりつくことはできるのか?とかなんとかそういう感じで、もっと硬派にしたほうがよかったと思う。ありがちだけど。小説には濡れ場がないと!とでも思ってるんだろうか。無駄にそこだけ気合入ってます。ていうか不必要。小説を書いてみたかったのか、それとも編集者に書いてみませんかと言われたのか分かりませんが、大人しく読み物書いとけと思いました。遺伝子組み換えってのは怖いんだなってのが感想。ただそれだけ。