- 作者: 櫛木理宇
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2018/06/25
- メディア: 単行本
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小説の中で50年に一度の集中豪雨と言われても、1か月前の私はそれを具体的に想像することはできなかっただろうけど、今は出来る。閉ざされた山間の閉鎖的な村で殺人事件が発生する・・・なんてもはやフォーマットと言っていいだろう設定だし、外界から閉ざされる理由が悪天候で「がけ崩れ」なんてありがちすぎるだろうと、1か月前の私ならばそう思ったことでしょうが、今は違う。集中豪雨マジ怖い。がけは崩れるし村は閉ざされる。堤防が決壊したら村だろうが街だろうが水没する。それを目の当たりにしてしまった今「ありがち」なんて言えないわ。
ていうかむしろ「村の外」の状況を想像してしまい人間同士で争ってる「村の中」の話に集中できないというか、学生運動ごっこしてるそのエネルギーを「対自然」に立ち向かうことに使えよと思うしかなく、閉ざされた村を心配し一刻も早く救助すべく駆けつけたら村民同士で争ってましたとか、自衛隊のひとの気持ちを思うとなんともいえない気持ちになりました・・・。