日明 恩『そして、警官は奔る』

そして、警官は奔る

そして、警官は奔る

メフィスト賞を受賞した作品の続編といっていいのか、それともシリーズ化でもするつもりなのか。前作はそこそこおもしろかった(ような気がする)ので、それなりに楽しみに読み始る。・・・・・・・・・つ、つまんねぇぇぇ。つまんないっていうよりも読みにくい。この人こんな文体だったっけ??なんかやたらと「〜〜だった。」とか「〜〜した。」とか「〜〜かった。」とかそんなのの連続で、同じことの繰り返しが目につきすぎる。前作は警察にも影響力のある茶道の家元んちの次男で一見アホでノー天気というありえないキャラ設定の警官が主役だったんだけど、今回はその元相棒で今時ありえない程の頑固で生真面目で鬼瓦であだなが「鬼畜」の刑事が主役(なのかな)。こいつがねー前回はそこそこアリだと思ったんだけど、今回は全然ダメ。ただついて回ってるだけの棒じゃん。ちっとも魅力的じゃない。そのほかの登場人物もみんなありきたりすぎるし、一応ヒロインであり重要人物である女なんて、どーよんでもヤな女にしか読めない。話は子供の監禁・暴行から始まって不法滞在や児童ポルノ、人身売買が絡んで殺人まで発展するし、それなりの舞台設定ではあるのに、登場人物がウダウダウジウジ考えてるだけで結局そこらへんはほっぽらかし。大体、不法滞在幇助なんてそんなにガタガタ大騒ぎするほどのもんじゃねーじゃんとか思うし、とにかくもー全部ダメ。いいとこなし。なんでこんなにダメになっちゃったのかな〜、この人。